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「グリーンエネルギーを石に蓄熱」プロジェクトがロラン島で始動!

#DANSK
#COLUMN

ついに、再エネ界隈で楽しみなプロジェクトがロラン島で始まります!

風力発電や太陽光発電でできるグリーン電力を石で蓄熱する全く新しいシステム。2017年頃から話し合われてきていましたが、ようやく動き出します。

ロラン島は今や、自分たちで使う電力の800%近くを、主に風力発電や太陽光発電でつくることができています。でも、一年を通してみると風の吹かない日や太陽が照らない日ももちろんあります。北欧や欧州は、国をまたいで国際電力グリッド(ガスも)でつながっており、電力も自由市場で取引されているため、風力や太陽光で発電できない日は、海外から電気を買うことができます。逆に、需要が少ない時間帯にも風が吹きすぎる時もあり、そういう時には風車をしばらく止めなければならない時もあります。でも、電気が余る時に効率よくためておくことができれば、電気が足りない時にうまく融通を利かせて補うことができます。

玄武岩で蓄熱

この秋にロラン島の、しかも私が住んでいるRødbyで建設が始まる蓄熱施設は、巨大でしっかり断熱された鋼鉄製のタンクの中に、数千トンもの玄武岩の小石がぎっしりつまっている、というもの。これを温めたり、冷やしたりすることで蓄熱したり、熱や電力を取り出したりする仕組みで、玄武岩はもちろん同じものを繰り返し使うことができます。

例えば、風がよく吹いて電気が余っている時は、この電力で蓄熱タンクの玄武岩を600度まで温めます。そうすることで、数日間熱エネルギーとして保管することができます。逆に、風が吹かず電力が足りない時には、その熱を使ってタービンを回して発電することができます。

貯めておいた熱から発電する時、40〜45%が排熱になりますが、その熱を地域暖房に利用すれば、エネルギー効率は80%くらいまでアップする可能性があります。

稼働は1年後くらいから

この蓄熱施設は、デモンストレーション設備として作られ、10〜15年ほど稼働する予定になっています。この秋に建設に着手予定で、実際に蓄熱施設として稼働するのは、約1年後を予定しています。

デンマークでは、2050年までに全エネルギー分野(電力、熱、運輸、産業)で完全に化石燃料から脱却するという政策を掲げています。そのため、全国各地で風力発電や太陽光発電が増えていて、余剰電力を貯めておく仕組みとして、こうした蓄熱やPower to X、エネルギーの生産地での産業クラスターづくりなどの取り組みが進んでいますが、ロラン島は、その先進地として、これからますます様々なプロジェクトが始まっています。

コロナが落ち着いたら、皆さんに見に来てもらえるよう、少しずつご紹介していきますね。

https://www.dr.dk/nyheder/regionale/sjaelland/groen-energi-skal-opbevares-i-varme-sten-paa-lolland

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