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最近の気づき〜いまを生きる上で大切なこと
今年に入ってからも、本当にたくさんの人と、オンラインで、そして、デンマークの人とは時に実際に会って、他愛もない話をしたり、じっくり対話をしたり、議論したりしています。とても贅沢な時間です。
私のまわりには、とめどなく、のべつ幕なしに忙しい人がたくさんいます。特に、日本の友人や知り合いは、子どもであっても、大人であっても、それぞれの理由でなんだかずっと忙しいのです。しかも、それが数日という単位ではなく、何か月も、何年も続いている、という人もたくさん知っています。ちゃんとした休暇を取ったのは、いつのことだったかな…?という人も結構知っています。
デンマーク人も、よく忙しいと口にしますし、実際に忙しい時間もあるけれど、ずっと、何か月も、何年もぶっ通しで忙しい、という人は稀です。休暇は取らない、という人にはこれまでに会ったことがないし、家族や友人とゆっくり楽しむ時間がない、という人にも、まず出会わない。
なぜ、日本人はそんなに忙しいのか。このことを考えたり、しゃべったり、話し合ったりする中で、いくつか気づいたことがあって、大切なことのように思うので、ここに綴ってシェアしておきますね。
片方の手のひらは、いつもあけておく
仕事やなんやらで忙しいのは、例えて言うなら、両手が常にふさがっている状態です。しかも、両手にどっさり何かが常にのっている。だから、手のひらにのっているものの温度や感触を楽しんだり、裏返してみたり、透かしてみたり、匂いをかいたり、ちょっと味見してみたりすることも難しい。たくさん何かがのっているから、腕もしびれてくるし、早く下ろしたくなる。手のひらの感覚も、たくさんの何かの重さで麻痺してくる。おもしろそうなことや、楽しそうな人が通り過ぎようとしていても、えいっと手を伸ばして掴んだり、大きく手を振って笑顔を送ったりもできない。
でも、何かをのせておくのを、片方の手のひらだけにしておけば、もう片方の手のひらをつかって、突然訪れたおもしろいものや、おもしろい人、大事なこと、大事な人の手なんかをぱっと掴むことができるかもしれない。片手が空いているから、もう一方の手のひらにのっている何かを、裏返したり、光にかざしたり、他のものと重ねたり、形を変えたり、匂いをかいだり、味見をしたりできる。手のひらの上で置き場所を少しずらしてみたりして、違う感触を味わうこともできるかもしれない。
両の手のひらにずっとたくさんの何かをのせ続けていたら、疲れている手のひらと腕を休ませるために、何かを持たない時間を過ごすのがいい。空っぽになった手のひらの開放感を味わって、手のひらやそれを支えている腕の感覚を取り戻す。翼みたいにバタバタさせて気持ちよくなることもできる。そんな時間が持てれば、また手のひらに今度は何をのせてみようかとワクワクできるし、また、新鮮な感触を味わうことができる。
両手にいつも何かがのっている方が、安心できるかもしれない。でも、両手がいつもふさがっていたら、新しい何かを掴むのは難しい。
なんとしてでも、自分の手のひらにのせてみたいものは何か。私の片方の手のひらだけ、という特別限定の場所に、のせたい何かとはなんだろう?
そんなふうに、仕事や日々の暮らしのことを考えるといいのかもしれない。
私がデンマーク人の社会に生きてみて、感じることです。
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