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岡山から全国へ!地方IT企業の20年とSaaSビジネスの挑戦(悩んだこと・取り組んだこと)
株式会社アイアットOEC プロダクトサービスグループの仲野です。
当記事では、弊社のような「地方から全国にSaaS等のサービス展開を考えている方」に参考になればと思い、苦労話を記載します。
アイアットOECは2004年9月に設立した、今年で創業20周年を迎える岡山県のIT企業で、主にIT商材を取り扱ったビジネスを展開しています。
その中でも私の所属する事業部では、全国をターゲットにSaaSビジネスを手掛けています。提供するSaaS製品の主要なものは、ノーコードツールの「@pocket」と、グループウェアを中心とした情報共有ツール「WaWaOffice」です。
WaWaOfficeについては、弊社の創業からサービスを提供しており、1,500社以上のお客様にご利用いただいております。
https://www.wawaoffice.jp
また「@pocket」は2021年5月から販売を開始し、約3年で累計600社以上のお客様でご利用いただいております。
まだまだSaaSビジネスの成功とは言い難い状況ではありますが、私たちがこれまでに取り組んできた経験をご紹介いたします。
これからSaaSビジネスを始めようと考えている方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。
SaaSの成功は、契約社数の確保がカギ
SaaSビジネスは、単価が比較的低い特徴があります。
1人月額500円で利用できるSaaSがあったとして、1社20人で使っても月額10,000円にしかなりません。
だからこそ、契約社数の確保が非常に重要です。
ですが契約社数の増加も、リリースしていきなり100社、200社と増えるわけではありません。契約社数の確保には、どうしても時間がかかります。
つまりSaaSは事業としてある程度成立するのに、どうしても時間がかかってしまうビジネスなのです。
弊社でも、創業当初は「WaWaOffice」の契約獲得に大苦戦していました。
WaWaOffideの契約社数が伸び悩む中、とてもビジネスとして成立できているとは言えない状況でした。
だいたい10年ほどでしょうか、WaWaOfficeでは事業とならず、やむを得ずパソコンを販売するなどWaWaOffice以外のビジネスラインに依存した期間があります。
会社全体としては他のビジネスの売上も多く、WaWaOfficeが伸び悩む中で、この事業を撤退すると言われてもしかたない状況でした。
今でも思いますが、撤退という判断をしなかったことは、当時の経営陣へ感謝しています。
では、契約社数を増やすためにどのような事をしていったか記載します。
まずは、Webマーケティングの強化
2012年からWebマーケティングを強化しました。
一般的にSaaSというものは、インターネットが繋がる環境であればどこでも利用ができるものです。お客様は全国にいるのですが、地方のIT企業にすぎない弊社およびWaWaOfficeの認知度はほぼありません。
ですがこの「WaWaOffice」というサービスには自信があったので、まずはより多くの人に知ってもらいたいと思い、ホームページを立ち上げます。
2012年当時、ホームページを使った展開などしたことがない状況でホームページの作成費用も出せず、Web製作業者に30万円で2ページだけのホームページを作成してもらい、サブページは私自身がHTMLを勉強しながらなんとか形にしました。(今見たら、本当に素人の作成したホームページでしたが、愛着はあります!)
苦労して立ち上げたホームページから、初めてお問い合わせをいただいた時は、非常に嬉しかったのを今でも覚えています。
ちなみにそのお客様は弊社のサービスを契約いただき、今でもご利用いただいています。
次に、営業体制の強化
コツコツとWebマーケティングを強化していき、なんとか定期的にお問い合わせをいただくようになってきました。
この次に意識したことは、契約社数増加のスピードを上げるための営業体制の強化です。
コロナ以降、オンライン商談も当たり前になりましたが、弊社ではコロナ以前の2015年にインサイドセールスの体制を作り、オンライン商談を推奨し取り組んでいます。
このことで、問合せに対してスムーズな対応や商談件数が確保できるようになり、営業強化へ繋がりました。
このインサイドセールス立ち上げの話しは、別記事をご覧ください。
今では営業部門内で、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスが連携し、営業活動全体を効率的に運営しています。
安定的に、契約社数を確保していくために
問い合わせや商談数を増やすことができ、それを安定した取り組みとするためには、「効果的な管理と分析」つまりデータの収集と活用が重要です。
現在弊社では「@pocket」を活用して、営業活動のデータや契約データなどを管理し、常に最新状況をグラフ表示で確認できるようにしています。
このような感じです(デモデータを使った@pocketのデモ画面です)
![](https://assets.st-note.com/img/1712546896086-O9yXbjydkW.png?width=1200)
リアルタイムかつ視覚的に営業の状況を把握することができ、例えば商談件数の減少傾向といった動きを迅速に把握し、対策を検討することができるようになっています。
つまり勘に頼らずデータを元に、迅速な意思決定や戦略調整を可能になっているわけです。
(少し宣伝ですが、自社の営業状況をデータ化し事業拡大を検討したい方は@pocketで管理ができますので、是非ご相談ください)
まとめ
地方IT企業として、限られたリソースの中でSaaSビジネスを成功させる道は険しいものがあります。
しかしWebマーケティングとセールスの組織強化、そしてデータ収集と分析の徹底により、着実に前進します。
最後になりますが、これからSaaSビジネスに挑戦する方々にとって、当記事が少しでも役立つことを願っています。