諸星新会長の”オーガスタ詣で”
先月日本ゴルフツアー機構(JGTO)の新会長に就任した諸星裕氏。
早速マスターズが開催される、オーガスタナショナルゴルフクラブに行きました。
目的は「世界のゴルフ界が現状どうなっているか」の情報収集と、現在のJGTOが世界でどんな立ち位置なのかを調べるため。
マスターズは選手だけでなく、世界のゴルフ関係者達が集う場でもあり、いろいろな情報が集まったり、そこで事が決まるということもある重要な場所でもあるのです。
1.設立当初は情報収集は出来ていた、それがいつの間にか…
JGTO設立当初は専務理事、そしてメジャー競技でも競技委員を務め、現在は日本ゴルフ協会(JGA)の専務理事を務める山中博史さんが、あらゆる世界のゴルフ情報を収集し、意見を発信していました。
競技委員としてメジャー競技に行った際、競技委員の役割と世界の各ゴルフ団体との対談を行って、JGTOが世界から”離れていかないよう”努力をしてきました。
日本人選手のメジャー出場枠削減の話や、世界ランクのポイントが日本は甘いんじゃないかと言われると「また日本に対し”意地悪”してきた」とユーモアを交えて報告をしていたのが印象的です。
しかし山中さんがJGTOを去ってからは、こういった情報がなかなか入ってこなくなり、「国際関係は誰が担当しているの?」「JGTOは世界のゴルフ情報を収集し、アップデートしているの?」と感じました。
諸星さんもこの点について危惧していることでしょう。
2.現状の厳しさを理解しているのか
厳しい言い方になりますが、JGTOは世界のゴルフ団体から完全に取り残されていると思います。
昨年から前年の賞金ランク上位3選手を対象に、DPワールドツアーの出場権を与えるという制度を定めていますが、今年は前年賞金王の中島啓太が出場はできるものの、2位の蟬川泰果と3位の金谷拓実はこれまで1試合も出場できていないこと。
またPGAツアー予選会・Qスクールも、ここを通れば来シーズンから出場できるファイナルの出場資格も、昔はある時点(10月末~11月初旬)での賞金ランク上位10選手のうち、出場する意思のある3選手が出場できていたのが、復活した昨年は賞金ランク1位の選手のみとなったこと。
そして今年から全英オープンの日本人選手にとって関係のある出場資格が少なくとも2つは削減されたこと。
他にもいろいろありますが、いずれにしてもJGTOにとって厳しい状況は間違いありません。
3.新たな人脈を築けるか
諸星会長は早速PGAツアーコミッショナーのモナハン氏や、こちらも今月から新任したDPワールドツアー責任者のキニング氏など、世界のゴルフ主要団体責任者との対談を計画しています。
世界のゴルフ界でJGTOが現在、どのような立ち位置なのかを理解し(厳しいことになることは覚悟しています)、そして今後どう対策を講じて対等な関係になれるのか。
新任早々、諸星会長の手腕が試されることになりました。