見出し画像

2025PGAツアー ジェネシスインビテーショナル


1.日程及び会場

〇日程 2025年2月13日~16日
〇会場 トーリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)
〇全長 7765Y(Par72)

2.結果

優勝 ルドビグ・オーベリ     -12
  (今季初優勝、ツアー通算2勝目)

2  マーベリック・マク二ーリー -11

T3 スコッティ・シェフラー    -9

T3 パトリック・ロジャース    -9

T5 パトリック・キャントレー   -8

T5 トミー・フリートウッド    -8

T5 トニー・フィナウ       -8

T5 デニー・マッカーシー     -8

3.体調不良から見事な復活、ここの借りを利子を付けて大きく返済、ルドビグ・オーベリ

 体調不良からの見事な快気祝いとなりました。
 2打差の首位を追いかけるルドビグ・オーベリが、8バーディー2ボギーの6アンダー66でまわりトータル12アンダーとし、一昨年のRSMクラシック以来の2勝目、シグネチャーイベント初優勝を挙げました。

〇ホールインワンが決め手に

 3日目の3H(Par3)、トーリーパインズ・サウスでも有名なホールでオーベリが魅せました。

 140Yの打ち下ろしでピッチングウェッジで打ったティーショットが、グリーンの奥からバックスピンと傾斜でボールがカップに吸い込まれ、自身大会で初のホールインワンを達成。そこから勢いづきました。
 最終日も序盤に2連続バーディーが来ても2連続ボギーで停滞気味。
 しかし7H(Par4)のバーディーをきっかけに上位陣に食らいつき、取っておきたいPar5の9H、13Hもバーディー。
 圧巻は難度が高い14H、15H(ともにPar4)をバーディーを奪ったことでしょうか。
 14Hは残り140Yのセカンドショットがピン手前1.5mにつけるもの、15Hはセカンドショットが2段グリーンの下7.5mであったもののそこから1パットで沈め、13Hを含め3連続バーディーでマク二ーリーを捕らえました。
 そして最終18H(Par5)、2mのバーディーパットを沈め勝負にケリを付けました。

〇3週間前の”借り”を利子を付けて返済

 同じトーリーパインズで行われた3週間前のファーマーズインシュランスオープン。
 「トーリーパインズは僕に合ったコース」とオーベリがコメントした通りに初日、ノースコースで9アンダーを出し単独首位に。
 しかし2日目以降原因不明の体調不良(一説にはインフルエンザ)を起こし、意識が朦朧とするなか3日間をラウンドしました。
 そして翌週のAT&Tペブルビーチプロアマに出場するものの、無理がたたって初日に棄権。
 そんな踏んだり蹴ったりだった状況から2週間後、優勝トロフィーをタイガーから贈呈されるという”ご褒美”をいただけるとは思いもしません。

〇大きな意味を持つ今回の優勝

 オーベリが優勝したことで、最新の世界ランクも4位に浮上することが確実視に。松山英樹とコリン・モリカワとの4位争いから一歩抜き出す格好となりました。
 スコッティ・シェフラー、ザンダー・シャフリー、ロリー・マキロイの3人がランクの上にいますが、その3人に追いつくにはまだまだ道険しという状況です。
 しかし難関のトーリーパインズ、そしてシェフラー、マキロイなど強豪が集うフィールドで勝ち切ったことが、オーベリに自信をつけさせたことは間違いありません。
 来月のフロリダ2連戦の結果次第では、初メジャーが転がり込んでくることもあり得ます。
 オーベリのツアー人生で、今後大きな試合になることでしょう。

4.最終日前半を盛り上げた男、惜しくも2位で終わったが今後のシグネチャーイベント出場が容易に、マーベリック・マク二ーリー

 最終日3アンダーと首位と5打差の”気楽”な位置からスタートしたマーベリック・マク二ーリー。
 いきなり2H(Par4)から6H(Par5)まで5連続バーディーを奪いリーダーボードの1枚目に名前を載せると、勢いは止まらず9H(Par5)から11H(Par3)も3連続バーディーを奪い、いつしかリーダーボードの一番上に名前が来ました。
 13Hもバーディーとし12アンダー、スタンフォード大の先輩でもあるタイガーが持つ62に近づき、あるいは更新もあり得ました。
 しかし直後の14Hで今日初ボギー、その後は凌ぐゴルフに変更。
 一番のピンチだった17H(Par4)、ティーショットがフェアウェイ右にあるバンカー淵近くの深いラフに入りセカンドショットはファーストカットに出すだけ。
 サードショットを何とかピン右奥2.5mにつけますが、PGAツアーでもパットの名手であるマク二ーリー。
 しびれる状況のパーパットを見ごとに決め、最終Hに。
 スコアを伸ばしてクラブハウスで待ちたかったのですが、ティーショットが右のラフに入ったことが影響しパーでフィニッシュ。
 RSMクラシック歴代チャンピオン同士のオーベリ(一昨年優勝、マク二ーリーは昨年優勝)に一歩届きませんでした。

〇シグネチャーイベント出場が容易になった

 昨年のフェデックスカップフォール上位10選手に与えられる、シグネチャーイベント出場権もジェネシスで終了(ネクスト10)。
 今後のネクスト10は、既にシグネチャーイベント出場権を持っている選手を除く今年のフェデックスカップ上位10選手に与えられます。
 今大会単独2位で400ポイントを獲得、ネクスト10の2番手につけ、シグネチャーイベント次戦のアーノルド・パーマー・インビテーショナル出場が確実となりました。
 昨年の最終戦から上昇気流に乗るマク二ーリー、趣味の飛行機同様ツアーでも一気に次のステージに飛びだちたいでしょう。

5.いろいろな人々の思いが詰まる今大会

 今年のジェネシスインビテーショナルは、いろいろな人々の思いが詰まる大会になりました。

〇ロサンゼルスの大火事支援

 先月発生したロサンゼルスの大火事、本来ジェネシスインビテーショナルが開催されるリビエラCCのある高級住宅地、パシフィックパラセダースも甚大な影響を受けました。
 大火事に対する支援をしようということで、大会メインスポンサーであるジェネシス(ヒュンダイモータース)は100台の車両を寄贈しました。
 また、バーディー以上の好スコア1つにつき300ドル、ホールインワン1つにつき10000ドルを寄付することも併せて発表し、災害に対する援助を行いました。
 すでにロサンゼルスに関りがあるサティス・ティーガラやコリン・モリカワなどは、発生直後から自主的に災害支援活動を行っています。
 3日目オーベリにホールインワンが出ましたが、最終日も同じ3Hでキーガン・ブラッドリーがホールインワンを達成しました。

〇クルティダさんを偲び、ピンフラッグを真白に

 先日天国に旅立ったタイガー・ウッズの母である、クルティダさんを偲ぶという意味を込め、7H(Par4)のピンフラッグを真白にしました。
 熱心な仏教徒であったクルティダさん、数字の”7”と真白は仏教では重要な意味を持つ(”7”:お釈迦様の生まれ変わるの日数・迷いを超える意味もある、真白:純情、清廉)ということから由来します。
 まだ心の整理がついていないということで大会に出場予定だったのを急遽取りやめたタイガー、そんな息子を天国から微笑ましくクルティダさんは見ていたでしょう。

〇喪章代わりの赤いバッチ

https://x.com/PGATOUR/status/1891257017563512890

 また最終日は選手全員がクルティダさんを偲び、帽子に赤いバッチを付け哀悼の念を示しました。
 改めてクルティダさんのご冥福をお祈りします。


いいなと思ったら応援しよう!