2024PGAツアー ザ・プレーヤーズ選手権
1.日程及び会場
〇日程 2024年3月14日~17日
〇会場 TPCソーグラス ザプレーヤーズスタジアムコース(フロリダ州)
〇全長 7275Y(Par72)
2.結果
優勝 スコッティー・シェフラー -20
(今季2勝目、ツアー通算8勝目)
T2 ザンダー・シャフリー -19
T2 ウィンダム・クラーク -19
T2 ブライアン・ハーマン ー19
5 マシュー・フィッツパトリック -16
T6 キム・シウー -15
T6 松山英樹 -15
8 ルドビック・オーベリ -14
3.大会初の連覇、そして2週連続と記録ずくめの優勝、スコッティー・シェフラー
先週パターを変えてパーマーインビテーショナルで圧勝。その余勢を駆って挑んだプレーヤーズ選手権。
2日目の途中で首を痛め、トレーナーにマッサージをしてもらうほど体の調子は万全ではなかったものの、最終ラウンドは1イーグル6バーディーの8アンダー64で回り、前日までの5打差を逆転。
2週連続、そして大会史上初の2連覇を50回目を迎えた記念大会で達成しました。
〇きっかけは4Hのイーグル
序盤の3Hをパーで乗り切り、4H(Par4)の第2打。
残り92Yを直接カップインするイーグル。これで波に乗りました。
〇一歩リードした16Hのバーディー
優勝争いをしている選手にとって、絶対にバーディー以上を取り、スコアを伸ばしたい16H(Par5)。
セカンドショットがグリーン左手前のポットバンカーに捕まっても、見事なサンドセーブを見せバーディーを奪いました。
〇絶妙な17Hバーディーパット
PGAツアーの中でも一番有名な、浮島グリーンの17H(Par3)。
右に切られたピンに対し安全に左サイドに乗せたものの、長いバーディーパットを残したシェフラー。
しかしバーディーパットを見事にカップに寄せ、ストレスのないパーを決めたのも大きな勝因でしょう。
〇複数回優勝、連覇の”鬼”
これでツアー8勝目となったシェフラー。その内訳がまたすごいことになっています。
・プレーヤーズ選手権 2勝(23、24)
・アーノルド・パーマーインビテーショナル 2勝(22,24)
・フェニックスオープン 2勝(22、23)
なんと3試合ですでに複数回優勝(2勝)し、しかも連覇をもう2試合達成しています。
残りはWGC世界マッチプレー選手権、そしてマスターズです。
(ともに22)
開催時期が2月から4月、正に”春男”健在です。
〇タイガー以来の記録に挑む
01年タイガーは、プレーヤーズ選手権とマスターズを続けて優勝しています。22年マスターズ、そして23年プレーヤーズ選手権と連勝はしていますが、同一年に優勝したのはタイガーしかいません。
これに挑む今年のマスターズ、これも複数回優勝しそうな現在のシェフラーです。
4.シェフラーに睨まれた最終組二人
〇シャフリー、また最終組で勝てず
ジェネシスでも最終日最終組になり、2年ぶりの優勝を目指したものの、松山の逆転を許す格好になったザンダー・シャフリー。
一時は単独トップに立って試合を優位に運べる時間もありましたが、ショットの乱れが途中顔を出したり、決めたいバーディーパットが決まらなかったりで、シェフラーに逆転を許す格好となってしまいました。
上位には来ているものの、ここ一番というときに弱気の顔を覗かせることの多いシャフリー。
何とか打破したいと、また思考に明け暮れる日々が続きそうです。
〇クラーク、無念のバーディーパット
このところの好調をずっと続けているウィンダム・クラーク。
試合前半の勢いはないものの、要所要所をきっちり決めて1打差で迎えた最終18H(Par4)。
入ればプレーオフというバーディーパットが強かったのかカップを舐めてしまい、ここで優勝が潰えてしまいました。
AT&Tペブルビーチプロアマで優勝はしているものの、荒天による短縮競技という点で後ろめたいものがあるクラーク。
早く4ラウンドを完全に戦っての優勝を挙げたいでしょう。
好調さをどこまで維持できるのかも注目です。
5.昨年とは雲泥の差、松山英樹
昨年も最終日猛チャージで5位に入ったものの、これがシーズンを通してベストの成績だった松山英樹。
今年はリビエラで勝った勢いが、そのままフロリダでも発揮されました。
前週のパーマーインビテーショナルでも優勝争い(結果12位タイ)、そして今週も上位に入り優勝争いを演じました。
最終日は5バーディー、そしてボギーなしのラウンド。6位タイで大会を終了しました。
しかも4日間60台をキープ、安定感がある一週間でした。
これでマスターズ前はテキサスのどちらかの試合に出て、マスターズを迎えることが予想されます。
調子を維持すれば、節目のツアー10勝目も遠くはないでしょう。しかもそれが2度目のマスターズ制覇なら言うことなしですが。
6.雑感
〇復活した実況コンビ
50回目の節目を迎えたプレーヤーズ選手権。
中継局のNBCはこれを記念し、半世紀以上実況を務め一昨年勇退したゲイリー・コッホとロジャー・マルトビーを”復活”することを発表しました。
2001年のプレーヤーズ選手権3日目、アイランドグリーンの17H(Par3)でタイガーをロングパットを決めた実況でお馴染みです。
「better than most」のフレーズは、ゴルフ実況の名台詞にも挙げられています。
〇プレーヤーズ選手権と言えばこれ、皆で”仲良く”池にダイブ
プレーヤーズ選手権の”名シーン”と言えば、これを挙げないわけにはいかないでしょう。
1982年に優勝したジェリー・ペイトは、あまりにも難しいコースでの戦いに勝ったものの、コースを設計したピート・ダイを懲らしめたいと思い、自分とダイ、そして当時のPGAツアーのコミッショナー、ディーン・ビーマンを巻き込んで3人で18H(Par4)の池にダイブしたというシーンです。
当時としては斬新なコースデザインだったTPCソーグラス。現在では浮島グリーンを見ても違和感がなくなったのは、ダイの”功績”でしょうか。
〇本大会の結果は”明暗”くっきり、マスターズに響くのか
優勝したシェフラーを始め、好調をキープしているシャフリー、クラーク、そして松山。
一方では初日首位に立つものの、その後尻すぼみのマキロイ。そして2日間でコースを去ったトーマス、スピース。
マスターズに向けて、この結果が引き続くこともあり得そうな感じです。
テキサス2連戦の出来も大きくなるでしょう。
〇早藤君”レジェンド”キャディと共演
大会3日目、松山と同組になったのは台湾のC.T.パン(潘政琮:はんせいそう)。
今週、パンのキャディを務めるのはキャディ界の”レジェンド”とも言える76歳のマイク・コーワン。
タイガーやフューリックの相棒として活躍してきました。
スタート前、二人が握手してスタートしたことが印象的です。
タイガーが初めてマスターズに優勝した97年、果たして早藤君はコーワンのことを知っていたでしょうか。
それにしても半世紀近い年の差がある二人がキャディをしている光景。
年齢に関係ないスポーツであることを、ここでも知ることができます。
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