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SNS起点にアトツギ同士が助け合う
2022年7月、総会員数800名を越える日本最大のアトツギ系コミュニティー『アトツギファースト』の有志4名を中心に、アトツギ写真部が立ち上がりました。
創部の理念は『写真(ビジュアル)の力でアトツギメンバーの経営課題を相互に解決し合う』
写真部は"アトツギのアトツギによるアトツギの為の部活動"として新しい時代のアトツギエコシステムを構築し、地道に努力を重ねるアトツギ達の活動にスポットを当てて参ります。
Twitterから生まれた京扇商店4代目女将と塗料メーカー5代目のコラボレーション
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今回は京都扇の製造卸メーカーアトツギと老舗塗料メーカーのコラボレーションについて伺いました。
京扇製造卸 大西常店 4代目女将 大西 里枝(おおにし りえ)
大正2年創業の京都扇の製造卸メーカー。里枝さんは2016年家業に入社し、右肩下がりの和装業界の中に活路を見出すべく、フレグランス事業・絵付け体験事業・京町家レンタル事業等、数々の改革を実施している。
斎藤塗料 5代目 菅 彰浩(すが あきひろ)
創業90年を越える老舗塗料メーカー。彰浩さんは2018年家業に入社し、ウレタン系塗料のウレヒーローをSNS起点にヒットさせるなど活躍中。第2回アトツギ甲子園優秀賞受賞。
巽クレアティフ 高栁 実(たかやなぎ みのる)
創業38年の和装カバン製造工房アトツギ。2010年家業に入社し、オンラインセミオーダーシステムを開発。OEM事業以外の柱を立てるべく奮闘中。大阪芸術大学芸術学部放送学科卒。カメラ歴12年。
コラボレーションするに至った経緯
大西 今回コラボレーションをするきっかけはルームフレグランス『かざ』の大量注文に対する納期の問題に直面したことがきっかけです。以前のかざは磁器の器を使用していたのですが、例えばOEMで600個程の注文が入った際に、1ヶ月程度の納期では到底対応することが出来ませんでした。
ガラス製の器であれば納期の問題をクリアできそうだったのですが、塗装の施す必要があり、解決策を考えていたところ、菅さんが頭に浮かびました。
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菅さんのお名前は聞いていて『ウレヒーロー凄い』というのは知っていたんですけど…『ガラス製の器に塗装をすれば何とかなるのではないだろうか?』そう思い連絡を取らせて頂いて、商品を送らせて頂きました。
菅 TwitterのDMで大西さんから連絡が来たんです。意外とアトツギの方からDMで連絡来ることがあるんですよ(笑) Twitter経由で愛知県にある製缶メーカーさんともコラボしたこともあります。
アトツギの方からの問い合わせは、相談者の本気度が高いケースが多いので、基本的に話を聞くようにしています。勿論ダメなものはダメとお伝えしますし、何でも受け入れるというものでもありません。
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今回の案件も実際に大西さんが動かれている中で困られているとのことだったので、弊社で何か協力できないかと考えました。
試作の課題もリアル打合せでスムーズに解決
大西 今回のサンプル、器の上部の塗装が剥がれてしまい、ここをどう解決するかが課題なんです。
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菅 ウレヒーローは柔軟性のあるウレタン系の塗料の為、どうしてもスレに弱いという特徴があります、アクリル系の塗料にするときっと耐久力も上がると思います。
また、今回のサンプルは僕が直接塗装しましたが、商品の塗装に関しては、取引先である京都の塗装屋さんを紹介することも可能です。きっと問題は解決すると思います。
アトツギ同士がコラボするということ
菅 こういう(異業種が集まって仕事の話をする機会)って多分ないんです、普通に仕事していたら…。そして僕らのような中小企業は、今後単独では生きていけないような時代が恐らく来ると思っています。
また、一般の企業の方々との繋がりは本気とのズレのようなものをやっぱり感じます。『どっちに権利がある』とか『売れるのか売れないのか』という話に終始してしまいがちで、一向に前に進まないことも少なくありません。その点こういうアトツギの繋がりは『本気と本気のコミュニケーション』のケースが多く、熱量を持って商品化できる機会も多いと考えます。
そういった意味でも、アトツギ同士のコラボレーションは互いにとって相乗効果を生み出すと思いますし、異業種のコラボーレーションのきかっかけとなった、SNSやアトツギファーストのオンラインサロンの存在はかけがえのないものだと思います。今後どんどんアトツギ同士でコラボレーションが起これば良いと感じますし、私も応援したいと思います。
製造の現場見学、アトツギ同士で知恵を出し合う
打合せが無事に終了した後、大西さん・菅さん・高栁(カメラマン)の3人は斎藤塗料さんの工場見学へ、『滅多に外部の人を入れることがない』という塗料が生産されている現場を見学しました。
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工場を見学の後、『商品写真の撮り方が分からないという』菅さんの要望を受け、高栁による即席のレクチャーと商品撮影会。それぞれにとって刺激と学びのある打合せとなりました。
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アトツギ写真部では大西さんと菅さんのコラボレーション商品の続報を届けると共に、今頑張っているアトツギ達の新たな動きについても写真を通じてお伝えして行こうと思います。
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(撮影・テキスト : 高栁 実)