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極楽試写会

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新作映画の試写会の案内もオンラインでの試写が増え、 気軽に自分なりに選んだ作品の試写をしております、 極楽気分で。 そんな中、皆さんにも見てほしいなと思った作品を紹介したいなと
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2024年12月の記事一覧

2024年の 「極楽映画大賞」の発表

(冒頭写真撮影日:2024年11月28日) 2024年の 「極楽映画大賞」の発表です。 本年 案内をいただきそこから試写を希望し観た作品数131本、 紹介したのは50作 その中から 大賞及び部門賞ノミネート作品は以下の計14作。 『極楽映画大賞ノミネート作品』 「コヴェナント/約束の救出」 「コヴェナント/約束の救出」|極楽試写会/コラムンの犬 「悪は存在しない」 「悪は存在しない」|極楽試写会/コラムンの犬 「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」 「ハロルド・フラ

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「かなさんどー」

映画『かなさんどー』公式サイト https://kanasando.jp/#top 心が温かくなる映画、 一年の終わりに このような作品を紹介できることに感謝したいです。 また 後に記しますが 本作は個人的に二つの点で特別な思いもあります。 さて タイトルの「かなさんどー」とは 沖縄の方言で「愛おしい」という意味。 舞台は沖縄の島、伊江島。 主人公の赤嶺美花。 かつて母が亡くなる際に助けを求めてかけた電話を取らなかった父のことが許せずに島を出た。 その父が認知症を患い余命わずかとの知らせで7年ぶりに故郷の島に帰ってくる。 美花には許せない父、反してそれを見守る島の人々の優しい目 そして父と母だけが知る「愛おしい」秘密が明らかになり・・・物語は結ばれる。 監督の照屋年之は お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリとしてよく知られている。 監督作品として『洗骨』:2018年では「第40回モスクワ国際映画祭」にてアウト・オブ・コンペティション部門に出品。 映画監督が選ぶ日本映画監督協会新人賞(2019年度)を受賞している。 主演の美花役には沖縄出身の松田るか:NHK・連続TV小説「ちむどんどん」・大河ドラマ「光る君へ」などで注目される 母、町子役を堀内敬子:劇団四季のヒロイン役を経て、三谷幸喜監督の映画「THE 有頂天ホテル」など 父、悟約の浅野忠信、は改めて書く必要は無いだろう。 個人的には脇役の「Kジャージ」、沖縄出身のお笑い芸人のようだが 彼の何とも言えない演技が、この作品を通しての良いダシになっていると好感が持てた。 冒頭に記した 個人的に二つの点で特別な思い、とは。 一点目: 「伊江島」 まず舞台である沖縄の伊江島。 僕が大好きな島なんです。 沖縄本島の北西部にある本部港からフェリーで1時間ほどにある中規模の島。 島の半分は米軍基地で、那覇から距離もあるゆえに あまりメジャーな島ではないし観光で行く人も多くはないので 人気の沖縄の中でも知る人もそう多くはない。 が、ゆえに、特有な魅力を持つ地で 僕は今から30数年前に何年もの間通い続けた島だ。 伊江島案内(えっへん!): 「タッチュー」 映画にも出てくる「タッチュー」と呼ばれる山 正式には「城山」(グスクヤマと読みます)という標高200メートル弱の山で 緩やかな島の中心部にポツンとたたずむどこからでも見ることのできる島の象徴。 急な階段があり何度も登りました。 ここから見る360度の伊江島と海の眺望のすばらしさと言ったら感無量です、風も心地よい。 「ワジー(湧出)」 米軍基地の手前の海岸には「ワジー(湧出)」と呼ばれる真水が湧き出す海岸(岩礁)があり 外洋を前に周辺で泳いで(外海ですがサンゴ礁があるから実は安全です、が泳ぐ人は誰もいません!) すぐにこの湧き水の所に行ってザブンとすれば真水でさっぱりの 超穴場のスイムスポット。 「ニャティヤ洞」 太平洋戦争沖縄戦では防空壕として多くの人を収容した事から「千人洞(ガマ)」とも呼ばれていて 少し怖い感じのする洞窟。 中には「力石」という10~20キロぐらいの石が置いてあり、持ち上がれば子宝に恵まれるとのこと。 当方の奥さんが頑張って持ち上げていました。 毎日、ほぼプライベートビーチで泳いだ後は 地元の人しかいない居酒屋で泡盛の瑞泉を楽しんだのであります。 そうそう、定宿にしていたタッチューのすぐ麓にあった今は無き「ヒルトップホテル」、 渥美清の寅さんシリーズ、沖縄ロケで使われたそうだ。懐かしいなぁ・・・・・。 ということでなんだか観光案内になってしまった。 ともかく僕にとって思い出の多い島です。 詳しくは下記を。 観光.イベント | 伊江村公式ホームページ https://www.iejima.org/bunya/kanko/ さて2点目: 試写を始めて 冒頭のクレジットみて (この映画作ってるの、よく知っているあの会社じゃないのか?) となったわけです。 で、そうかなーー?なんて思いながら見てたんですが 物語が進むうちにその世界に取り込まれてしまいそんなこと忘れて エンドクレジットをぼーっと見ていたら 何と「製作総指揮」には僕のごくごく親しい人物の名前が記されているし 他にもよく知った名前が!!! で、、制作会社も勘違いではありませんでした! ラストシーンの鉄砲ユリの花花花、あの人達もきっと額に汗して、微笑みながら手伝ったんだろうな・・・と。 ともかく 一年を締めくくるこの時期に このような 心温まる感動作に出合えて ありがとう! 極楽映画大賞:ハートウォーミング部門ノミネート 2025年1月31日 公開 さて、次週はいよいよ 「極楽映画大賞」の発表です。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今月試写した作品: 「ドキュメンタリー映画 鹿の国」 ドキュメンタリー映画 鹿の国 https://shikanokuni.vfo.co.jp/ 2025年1月2日 公開 「オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ」 映画『オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ』公式サイト https://auction-movie.com/ 2025年1月10日 公開 「ディックス!!ザ・ミュージカル」  A24初のミュージカル『ディックス‼ ザ・ミュージカル』公式サイト|2025年1月17日(金)公開 – 第48回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門<観客賞>受賞 『グレイテスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』のスタッフが贈る、最高に不謹慎で愛おしいA24初のミュージカル! https://transformer.co.jp/m/dicksthemusical/ 2025年1月17日 公開 「怪獣ヤロウ!」 映画「怪獣ヤロウ!」公式サイト https://www.kaijuyaro.com/ 2025年1月24日 公開 「映画を愛する君へ」 2025年1月31日 公開 「かなさんどー」 映画『かなさんどー』公式サイト https://kanasando.jp/#top 2025年1月31日 公開 「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」 映画『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』公式サイト https://www.culture-pub.jp/goldfinger/ 2025年1月24日 公開 「Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり」 Brotheブラザー 富都(プドゥ)のふたり | 富都青年 ABANG ADIK | reallylikefilms 2025年1月31日 公開

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「Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり」

マレーシアの映画。 色々と映画はみてきたが、マレーシアの映画は初めて。 舞台は首都クアラルンプールのスラム地区プドゥ(富都)、 主役の二人は身分証明書(ID)さえ持たない孤児。 この過酷な環境の中で2人は血のつながりはないが兄弟として 助け合って育った。 IDがないとまともな仕事にも就くことができない。 しかも兄はろうあ者。 それでも兄は実直に市場で日雇い労働者として日々の糧を得、 対して弟は裏社会に手を染めて危ない状況に。 そんなおり、弟の実父の所在が判明し、IDが発行できる可能性でてきたが 思わぬ展開で2人に激震がはしる。。。 マレーシアが現実に抱える問題と 私たち(日本人)には想像もできない過酷な環境の存在 それに反比例するかのような確かな兄弟愛を描いている。 劇中でキーとなるある事件 その場面で僕は(?)と疑問を感じたが それはラストで見事にクリアされたところが 作品のつくり、計算の良さがあるといえる。 「マレーシアの映画」と書いた。 正確には マレーシアを舞台にしたマレーシアと台湾の共作。 そして兄役のウー・カンレンは台湾のトップスター 演技の妙がさえる。 そして本作で2023年の 「金馬奨」で見事に最優秀主演男優賞を受賞している。 で、「金馬奨」って何?と思われる方も多いと思う。 台湾の映画賞とのことで詳しくは下記をご覧いただきたい。 金馬奨 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E9%A6%AC%E5%A5%A8 2025年1月31日 公開

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「オークション ~盗まれたエゴン・シーレ」

映画『オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ』公式サイト https://auction-movie.com/ 美術鑑賞の一つの方法として 「自分がその作品を買いたいかどうか、という目で見る」 という考え方がある。 この方法は鑑賞するうえですごく有効だと思って 僕は常にそうしている。 そもそも鑑賞する人の目の基準は千差万別で、何が正解なのかなんてないわけで もちろん、自分の好みかどうかという見方はあると思うが そこに「自分が買うかどうか」という尺度を加えると、自然鋭さを増す。 もちろん、実際に買う(買える)わけではないですよ・・・。 さて 僕はそもそも美術鑑賞が大好きで (先日も東京都美術館で開催中の「田中一村展」に行って感動してきた) 映画でも美術品を扱ったものは前かがみで観ている。 その中で、サスペンスというか推理物というかで、すぐに思い当たるのが 「鑑定士と顔のない依頼人」 鑑定士と顔のない依頼人 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/78310/ や 「黄金のアデーレ 名画の帰還」 黄金のアデーレ 名画の帰還 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/81867/ 特に「黄金のアデーレ 名画の帰還」は本作の題材エゴン・シーレの作品と 同じような運命をたどった クリムトの代表作黄金のアデーレ」を巡るストーリーなので尚更。 2作ともぜひ配信でも見られると思うのでまだの方はお勧めします! で、本作。 第二次大戦時、ナチスに多くの古典的、近代的な名画が略奪されたことは良く知られている。 そしてなかには(ヒトラーなどの個人的見解からか)現代美術作品は「退廃的」ということで その多くが破棄され、または闇に紛れて行方不明になった。 その中にエゴン・シーレの名画「ひまわり」もあった。 そして2000年初頭に若い工員労働者の家でこの名画が発見された。 本作はこの事実をもとに作られたストーリーだ(この事実以外の内容はフィクション)。 パリのオークション競売人、もともとの権利保有者のユダヤ人一族、鑑定人、労働者階級の工員とその家族 様々な思惑を軸にした物語が 作品の展開を見ごたえのあるものにしている。 一点、主役の元妻で仕事の相棒役が女性弁護士との恋愛関係?のような描写があるが、 そこが何なのか、本作の中でどういう意味があるのか???よくわからなかった。 まっいいかぁ。 監督:パスカル・ボニゼール 主役:アレックス・リュッツ(小説家・映画監督・お笑いタレント) 元妻で仕事の相棒役:レア・ドリュッケール とのことだ。 因みに 美術愛好家である僕ですが 嗜好は至ってコンサバです。 なのでエゴン・シーレは好きではありません。 なので買いたいとは思いません、買えるわけないですけどね。 2025年1月10日 公開