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2024年9月の記事一覧
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「八犬伝」
映画『八犬伝』公式サイト|2024年10月25日劇場公開 https://www.hakkenden.jp/ 最初は いわゆる八犬伝の登場人物がドタンバタンとCG映像の迫力を繰り返しているんで よっぽど途中で観るの止めようかと思った。 というのは 僕は特撮VFXものとは距離を置いていて ・・・というか避けていて 正面から見たことはほぼ無く (選択を間違ったかな???でも役所広司と内野聖陽が出るはずでは???) と(もう少し見てみよう)と。 出てきました!役所広司が八犬伝を書いた滝沢馬琴、内野聖陽がその挿絵を描いた葛飾北斎。 ここから引きずり込まれました、面白い。 原作は作家山田風太郎(東京医科大学卒です)によって1982年に書かれたベストセラーで 「南総里見八犬伝」の創作秘話みたいなもの。 本作では 美術好きにはよく知られている葛飾北斎の才気 それに馬琴の苦心の末に練りだされた創造 この沸き立つ二つの才能の行方を良く表している。 特に北斎の筆運びの描写など 見事なカット割りで(そおなんですな!?)と膝を打ってしまいましたな。 また先に描いたようにVFXが好きでない僕だか気が付いたことがある。 こうした実写と 八剣士が活躍するバーチャル映像との対比があってこそのこのような(僕のようなものにも)楽しめる エンタテイメント映画があるのだと。 監督・脚本の曽利文彦 USC(南カリフォルニア大学大学院)映画学科在学中に『タイタニック』(97)のVFXに携わる。 帰国後は『ピンポン』(02)で監督デビューし、 その後は『ICHI』(08)、『あしたのジョー』(11)などを発表。 余談だが 八剣士をはじめ本作の若い役者たち (正直、ほぼ全員知らなかったが) 最近の若い役者ってイケメンですね。 でも僕には役所広司や内野聖陽の方が親近感わきます(恐れ多いか?)。 2024年10月25日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今月試写した作品 ・「花嫁はどこへ?」 映画『花嫁はどこへ?』公式サイト https://movies.shochiku.co.jp/lostladies/ 2024年10月4日 公開 ・「BISHU」 映画『BISHU〜世界でいちばん優しい服〜』 https://bishu-movie.com/ 2024年10月11日 公開 ・「アーネストに恋して」 映画『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』公式サイト - 松竹ブロードウェイシネマ https://broadwaycinema.jp/eslovesme 2024年10月4日 公開 ・「国境ナイトクルージング」 映画『国境ナイトクルージング』公式サイト https://kokkyou-night.com/ 2024年10月18日 公開 ・「徒花」 映画『徒花-ADABANA-』公式サイト https://adabana-movie.jp/ 2024年10月18日 公開 ・「二つの季節しかない村」 映画『二つの季節しかない村』オフィシャルサイト https://www.bitters.co.jp/2kisetsu/ 2024年10月11日 公開 ・「ジョイランド わたしの願い」 映画『ジョイランド わたしの願い』公式サイト https://www.joyland-jp.com/ 2024年10月18日 公開 ・「シン・デレラ」 映画『シン・デレラ』公式サイト https://hark3.com/cinderella/ 2024年10月25日 公開 ・「リトル・ワンダーズ」 リトル・ワンダーズ - 株式会社クロックワークス - THE KLOCKWORX https://klockworx.com/littlewonders 2024年10月25日 公開 ・「八犬伝」 映画『八犬伝』公式サイト https://www.hakkenden.jp/ 2024年10月25日 公開 ・「2度目のはなればなれ」 映画『2度目のはなればなれ』公式サイト https://hanarebanare.com/ 2024年10月11日 公開
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「2度目のはなればなれ」
映画『2度目のはなればなれ』公式サイト https://hanarebanare.com/ 歴史に「もし」はタブーだが、、、 お爺さん物が好きな僕であります。 しかもあのマイケル・ケインの最後になるであろう本作。 期待せずにはいられない、 楽しみに楽しみにずーーっと見るのを取ってありました。 ・・・ところで食事で人は好きなものから食べるのと逆に最後に置いておく人がいますが 僕はどっちでもありません、食にはあまり興味がないので、そんなこと考えて食べません。 でも映画はこだわるので、そして取っておくタイプです・・・ それはそうと ノルマンディー上陸作戦開始日の「Dday」の記念式典に参加するために 89歳のお爺さんが繰り広げる実話をもとにしたドラマ。 介護施設に入る奥さんに黙ってドーバー海峡の渡航を企て 現地では元ドイツ軍の兵士だった老人たちとの出会い と、なかなか意味深いものなっている。 そして なんといってもあの名優マイケル・ケイン! 流石ですね。 一度引退を表明したにもかかわらず製作陣に説得され本作に臨み キャッチコピーには「最後の作品」とあるが 僕としてはそうあってほしくない、 次作を!と願うばかりです。 ところで 本作のキー、ノルマンディー上陸作戦はは1944年6月6日(Dday)に開始され その後西部戦線は「バルジ作戦」を経て、両軍約50万の死者を出し45年1月に終わり 5月8日にドイツ国防軍は無条件降伏する。 そして、最近知ったことだが 日本での第二次大戦の死者数は300万人を超える、 そして、なんとその約9割が最後の1年間の 1944年8月から45年の8月に集中しているとのことを。 歴史に「もし」はタブーだが、、、なんという事か。。。 そんなことも思い起こした作品でありました。 2024年10月11日 公開
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「二つの季節しかない村」
映画『二つの季節しかない村』オフィシャルサイト https://www.bitters.co.jp/2kisetsu/ トルコ人監督ヌリ・ビルゲ・ジェイランはやはりただものではない。 03年の「冬の街」で第56回カンヌ国際映画祭のグランプリと主演男優賞受賞 11年の「昔々、アナトリアで」で2度目のグランプリを受賞。 そして 第67回カンヌ国際映画祭に出品された「雪の轍」(14)で最高賞パルムドール受賞監督の 最新作品。 冬が長く雪深いトルコ・アナトリア東部、 この閉ざされた村になじめないプライドの高い美術教師、 そして生徒や村人たち。 壮大な自然と人間の小ささを対比させて描いたドラマ。 ストーリの底辺にはトルコ社会が抱える 反政府、テロ、クルド人、宗派、教育など多様な問題を ここに流れる静かな空気と人の営みを通して 実は強く描いている なんとも言いようのない魅力な作品。 主人公サメット役にデニズ・ジェリオウル。 助演のヌライ役を演じたメルベ・ディズダル、カンヌのコンペティション部門でトルコ人として初めて女優賞を受賞。 尚 原題は「Kuru Otlar Üstüne」で 直訳で「ドライハーブの上で」 まぁ意訳だと「枯れた草の上で」 となると思う。 これは、 舞台となるこの地域が 年間のほとんどが雪に埋もれ 短い緑の季節でも草はすぐに茶色に枯れてしまう 所から来ているのだろう。 そこにも監督の表そうとした意味が込められているんだろう。 そして邦題の「二つの季節しかない村」もなかなかじゃないですか。 2024年10月11日 公開
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「アーネストに恋して」
映画『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』公式サイト - 松竹ブロードウェイシネマ https://broadwaycinema.jp/eslovesme オフブロードウェイ ミュージカルの実力を魅た。 先に自分の事。 僕はもともとミュージカルが大好きだっ「た」。 親の影響で幼少のころハリウッド映画で 「サウンド・オブ・ミュージック」 「マイ・フェア・レディ」等々 多くの本場のミュージカルに埋もれて それに魅了されていた。 しかし ここ数年、距離を置いていた。 なぜか? それは自分のミュージカルに対するアイデンティティーからきているんだろうか。 ・・・ここからは、ちょっと嫌な奴に思われるかもしれないが・・・ 前述のように子供のころからの思いから 今から45年前の大学生の時、 その影響でいつかは本場、ニューヨークの舞台を!と。 そして その望みがかない 当所でのミュージカル エリントンの「ソフィスティケイテッド・レディ」 すでに大ヒットしていた「キャッツ」を体験 このすばらしさに打ちのめされた。 ブルーマンだって1991年の初舞台間もないオフ・ブロードウェイで 観劇し、感激。 いずれにせよ日本に来るのはそこから10年近く後で、 数年たってから後追いで来るブームに(何でかね?) と高飛車な感想で迎えていた。 ということで何が言いたいのかと言うと ことミュージカルに関して僕は一方ならぬ思いと先見の自負がある(と勝手に思っていた、嫌な奴ですね) そんな目から見たら・・・ 世界が身近になった今、時間をおかずに日本語化したミュージカルが上演される昨今、、、、。 もちろん、当地では間断なく名作は生まれていたのだろうが こういった僕としては今回 久しぶりに本場のミュージカルに触れた。 そして、素晴らしかった。 本作はNYのオフ・ブロードウェイで最優秀ミュージカル賞を受賞しているステージを ライブ収録に近い形で完成させている。 見ながら「これが本場のミュージカルなんだよ、本当の実力があってこそこういうステージが作られるんだよ」 と、首が痛くなるほど頷いていた、久しぶりに。 ともかくすごいんですよ! 主演のヴァレリー・ヴィゴーダはエレキバイオリンを弾きながらいとも何気なく歌い 助演のウェイド・マッカラムはアイリッシュ訛りで見事に大冒険家の思いを歌い上げる。 舞台上にはこの二人しか登場せず、2時間のミュージカル舞台を万巻の音と歌とストーリーとで埋め尽くしている この実力に裏づけられた完成形は鳥肌ものとでも言ってよい。 尚 主演のヴァレリーは、シンディ・ローパーのツアーに参加する実力派ミュージシャンでもあり本作では作詞も、 作曲はブレンダン・ミルバーン、音楽監督および編曲はライアン・オコンネル、 音響デザインはトニー賞受賞のロブ・カプロウィッツ(「フェラ!(FELA!)」)、 舞台美術はアレクサンダー・V・ニコルズ(「ヒュー・ジャックマン、バック・オン・ブロードウェイ」)、 衣装デザインはチェルシー・クックという豪華布陣が務める。 やっぱり、ブロードウェイはタダモンじゃありませんな。 「ニューヨーク・ブロードウェイの傑作舞台を映画館で上映する『松竹ブロードウェイシネマ』シリーズの1作」 ということだが 後続が今から楽しみでならない、、、またミュージカル大好きに戻ったな、僕。 2024年10月4日 公開
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「花嫁はどこへ?」
映画『花嫁はどこへ?』公式サイト|2024年10月4日(金)公開 https://movies.shochiku.co.jp/lostladies/ インド映画の進化系がここに。 インド映画なのに 時間が2時間と短い(普通) 踊りがない それだけではありません! 製作アミール・カーン。 インド映画の大スターであり 素晴らしい製作者である彼に魅せられた 僕もその一人である。 大ヒット作 「きっとうまくゆく」 きっと、うまくいく : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/77899/ に刺激を受け続く 「PK」 PK : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/81561/ 「ダンガル きっと、つよくなる」 ダンガル きっと、つよくなる : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/88238/ と劇場に足を運んだ。 そして今回は 製作として本作を送り出した。 本当に彼の作品は間違いがない。 些細なことから ありえない、花嫁の取り違え。 これを単なるハプニング映画で終わらせていない。 そもそも取り違えが起こりかねないインドの婚礼事情 そこから 女性の自立や就学に対する慣習の壁。 貧困や困難に対して強く生き抜く力など 多方面において 今のインドの問題や可能性をストーリーに含め映像化した 大きな作品と言える。 そして何よりも人が持つ本来の暖かさをも。 監督は アミール・カーンの元妻で「ムンバイ・ダイアリーズ」などを監督したキラン・ラオ。 尚、本作はネットフリックスが製作に絡んでいるからだろう、 冒頭に描いた 「時間が2時間と短い(普通) 踊りがない」 ということもそれに関係して世界市場を意識していると想像される。 活躍の場をより広げるアミール・カーンの また大きな一歩となる作品になるだろう。 極楽映画大賞インド部門ノミネート。 2024年10月4日 公開
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「サウンド・オブ・フリーダム」
映画『サウンド・オブ・フリーダム』公式サイト https://www.hark3.com/freedom/ この作品の最も重要な部分は 本編後に主演のジム・カヴィーゼルによる スペシャルメッセージにある。 それは 奴隷制度を廃したリンカーン大統領に言及した。 リンカーンは奴隷制度に反するのに大きな役割をしたのは 当時の書籍物語「アンクル・トムの小屋」のヒットにあると。 この物語を多くの人が読むことにより 当時当たり前と考えられていた黒人奴隷制度がいかに非人道的であるかということの啓蒙になり 民衆が事実の理解を深めることにより その先の開放に向かう大きな力になった。 ということだ。 そして 同じように 本作が一人でも多くの人に見てもらえることが 世界に蔓延する児童人身売買の実情をただすことになると。 だから見てほしいんだと。 クレジットでは製作は2023年となっているが 製作完成から公開まで5年の年月を要したとのこと。 多々困難があったのだろう。 結果 全米興行収入第一位 これがアメリカ国内に うねりを起こしたか、期待を込めて。 児童人身売買の最大の市場であるアメリカで。 実話である本作、 児童人身売買の現状と 想像を絶する救出劇 紹介文はこれだけで 十分。 衝撃の作品です。 2024年9月27日 公開