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2023年1月の記事一覧
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「いつかの君にもわかること」
いつかの君にもわかること | キノフィルムズ https://kinofilms.jp/movies/nowhere-special/ 若い父親がまだ幼稚園児ぐらいの幼い息子を一人で育てる。 しかし、父親の彼に残された余命はわずか。 一人残される息子に新しい家族の形を模索する 心温まる物語。 自分亡き後に預ける里親探し、 里親を希望する人たちは多様。 厳格なイギリスの家庭を築く、形にこだわる夫婦 白人、黒人、アジア系あえてそこを混載させることで満足している(ような)夫婦等々・・・ 見る側に(なんだ?この人たち??)とあえて思わせる所が狙いだと、気が付いた。 そして彼が選択したのは・・・ 僕の予想は当たった、というかそういうストーリ仕立てに「さすが」と思わせるんだよね。 さて 監督に視点を集中してみた。 監督・脚本のウベルト・パゾリーニ なんだかバイオリ二ストみたいな苗字だが 1957年5月1日、イタリア生まれ。 (という事は僕と同学年だ、僕はイタリア生まれではないが、当然?) 映画人として今まで携わってきた作品を見ると 理屈抜きに納得してしまう、だからこの映画ができたんだと。 で、一部を紹介すると あの「キリング・フィールド」で制作助手(84年) キリング・フィールド : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/43860/ アカデミー賞作品賞ノミネートの「フル・モンティ」ではプロデューサー(97年) フル・モンティ : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/48982/ 監督2作目にしてヴェネチア映画祭で4冠を獲得した「おみおくりの作法」 おみおくりの作法 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/80942/ と着々とその経歴に名作を連ねている名監督の一人 その彼が作る作品に間違はないね。 2023年2月17日 公開
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「小さき麦の花」
映画『小さき麦の花』公式サイト (moviola.jp) https://moviola.jp/muginohana/#modal 素晴らしい映画とはこういう作品のこと! ともかくご覧いただくことを強くお勧めする。 現在の中国であっても貧しい農村はあり 農民たちは都心部との軋轢に押しつぶされるように生きているのも事実だろう。 そんな農民の中に更に互いに家族から厄介払いされた二人がいた。 二人は仲睦まじく自分たちの家庭を作る。 築き上げるというより、蟻のようにこつこつと、でも二人の愛をはぐくみながら 少しずつ少しずつ積み上げてゆく。 一つ一つの映像が、これこそが真の愛の姿であると、観る側の心の中に静かにしかも強力にしみこんでくる。 主演の二人 夫役は監督の実の叔父であり本当の農民であり 妻役は中国の国民的俳優がノーメークで 農村の女性になりきった(しかも、たぶん障害を持った人物として)。 夫は妻に畑に植え付ける種の選定をしながら 「いい種は捨てるなよ」 そして 「土は人を嫌わない、人も土を嫌わない。土は種を10倍、20倍にしてくれる」と。 一粒の種さえ無駄にしないその姿を見ていて 小さいころ、僕の母が食事の時にご飯を粗末にする僕によく言っていた言葉を思い出した。 「農民の人たちが丹精込めたお米です、一粒は5円するのですよ」と。 大人になるまでこの金額を信じていた、ことも。 ともかくこの二人の名演は僕の心に末永く残るだろう。 「世界の批評家が賞賛、中国で〈奇跡〉とまで言われた大ヒット作」 2023年2月10日 公開 PS せっかくだから僕の好きな中国映画を紹介しておきます。 中国映画はいくつかのジャンルに分かれると思うが 僕が好きなのは ・現中国の都市部や農村部にある人間の葛藤を描いた 「胡同の理髪師」 胡同の理髪師 : 作品情報 - 映画.com (eiga.com) https://eiga.com/movie/53326/ 「長江哀歌」 長江哀歌(エレジー) : 作品情報 - 映画.com (eiga.com) https://eiga.com/movie/34126/ 「北京ヴァイオリン」 北京ヴァイオリン : 作品情報 - 映画.com (eiga.com) https://eiga.com/movie/1735/ ・中国辺境の民を描いた 「僕たちの家に帰ろう」 僕たちの家(うち)に帰ろう : 作品情報 - 映画.com (eiga.com) https://eiga.com/movie/81105/ 「草原の河」 草原の河 : 作品情報 - 映画.com (eiga.com) https://eiga.com/movie/83177/ などが好きです。 そうそう中国映画ではないですが モンゴルを舞台にしたこれも好きです。 「ウルガ」 ウルガ : 作品情報 - 映画.com (eiga.com) https://eiga.com/movie/42681/
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「すべてうまくいきますように」
明けましておめでとうございます。 新年第一弾に こんな良い作品を紹介できるのは 今年は更に極楽度UPに期待。 「すべてうまくいきますように」 映画『すべてうまくいきますように』公式サイト (ewf-movie.jp) https://ewf-movie.jp/ 舞台は現在のフランス・パリ 安楽死を主題にし、深く考えさせられる作品。 あのソフィー・マルソー演じる娘と 年老いて脳梗塞で倒れた父。 その父親が安楽死を望み、 その対応と選択に戸惑う家族たちとの葛藤 そして最終的な判断は、、、。 重いテーマに アート、ユダヤ、LGBTといった要素が絡み合い 作品に厚みを出している。 それを 巧みなストーリー展開により 一辺倒ではないものとし 見る側を前のめりにしてしまう、監督・脚本のフランソワ・オゾンの技が光る。 55歳にしてすでに3大映画祭の常連という実力だろう。 そして 演技面では ソフィー・マルソー が味を醸し出す役者になったなと思わせたのは 自身も他作で監督までこなす証でもあり、高く評価されるだろう。 役者に限らず人はどのように歳を重ねてきたかが表情に現れるもので 良い時間を過ごしてきた人には若い時とは違う別の美しさを感じると常に思っている。 彼女にその域を感じなかったのが少し残念でこれからにさらに期待する。 そして特に 父親役のアンドレ・デュソリエの演技は唸るぐらいの名演だといえる。 彼が作品内で言う「生きるのと延命は違う」という言葉が刺さった。。。 2023年2月3日 公開