マガジンのカバー画像

極楽試写会

127
新作映画の試写会の案内もオンラインでの試写が増え、 気軽に自分なりに選んだ作品の試写をしております、 極楽気分で。 そんな中、皆さんにも見てほしいなと思った作品を紹介したいなと
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

再生

「戦場記者」

https://senjokisha.jp/ このような人に 思わず頭が下がってしまう。 本作の監督で主題の特派員である須賀川拓。 JNN(TBS系列)の中東支局長、 といってもTBSロンドン支局内のたった一人のポジション、 パレスチナ・ガザ そして直近ののロシアによるウクライナ 戦争という名の悲惨な事実を真摯な目で取り上げている姿を 私たちに届けてくれた作品。 自身曰く その姿勢の基本は「戦争に白黒はない」と、常に反対側からの視点でもとらえる、 また 自分のこの取材も、それを仕事としてある意味で金を稼いでいる行為なので「偽善」とも自戒する、 ただそれでもこうした活動が「今いろいろなメディアによって支援している人たちへの橋渡しになれば」 と。 でもこう思った。 資料にある通り 「彼は時間の制限ゆえに戦争の現実をごく一部しか報じられないテレビ報道の枠を超え、 YouTubeやSNSも駆使して戦地の肌感覚とニュースの向こうに広がる光景や真実を危険エリアから 撮影クルーと共に日本の視聴者に届けてくる。」 という理由はわかるが、 でも このようなより広く周知してほしい戦争の事実を アクセスが容易だけでなく、信頼度もある意味で担保されている 「TVメディア」でドキュメンタリー特集として放送してほしい、 と。 PS 番組内で現場に行くスタッフ7人の血液型が表記されるシーンがあり(もしもの時の輸血のデータのため) O型の主人公含めO型とB型が半々 A型が一人だった。 2022年12月16日 公開

再生

「フラッグ・デイ 父を想う日」

映画『フラッグ・デイ 父を想う日』オフィシャルサイト 2022年12月公開 https://flagday.jp/ 観る前から 「ゾクゾク」しちゃう作品ってあるじゃないですか。 それがこれ。 ショーン・ペンと聞くと もう「ゾクゾク」しちゃって、 で見終わっておもわず「頷いて」しまう、 それがこれ。 実在のジャーナリストの回顧録 それは アメリカ最大の贋札事件を起こした父との葛藤の実話であり ショーン・ペンが構想から15年かけて監督主演をし作り上げた作品。 なんといってもショーンの実の娘、ディラン・ペンを主役に据えて 見事に演じさせている、監督としての力量はさすが。 と、監督の力もそうなんだろうが ディラン・ペンが本来持つ演技力のすごさに脱帽しちゃう。 名優、父親の血がまさしく彼女に流れているんだと! 実は 見始めて当初は、ショーン・ペンの物足りなさを感じた、 が、それはたぶん監督の計算済みの事 彼がここで踏ん張り出てしまうと、 ディランの影が薄まってしまう これが 俳優同士であれば、親子であっても鍔迫り合いをしたのだろうが 方や監督という立ち位置が、このような良い塩梅を作り上げたと思う。 ・・・とはいえ、父と娘の映画となると どうしても、「I am Sam アイアムサム」のようなショーンのすごい演技を見たかったけれど・・・。 I am Sam アイ・アム・サム : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/1439/ また 演技だけでなく 撮影の手法も移動カメラ映像を効果的に使っているところも 作品中で意味を持った「8ミリカメラ」の存在を想起させるような 仕掛けも、心憎いでしたね。 最後に ショーン・ペンの実の娘ということは マドンナの娘なの!?えーーー、と勝手に想像しちゃったけれど 調べたら、そうではなくて、女優のロビン・ライトとの間の子供だった、、ホッ♨。 PS 流れる音楽、 ショパン好きの父と これぞアメリカンというボブ・シーガーにノリノリの子供たちとの 対比も 何か比喩するところがあるのかなと思わせてしまうのであります。 2022年12月23日 公開

再生

「チーム・ジンバブエのソムリエたち」

映画『チーム・ジンバブエのソムリエたち』公式サイト (team-sommelier.com) https://team-sommelier.com/ うーーー、もう 素晴らしいドキュメンタリーってたまらんですね! 映画のコピーは 「ワインのない国から南アフリカに逃れた難民4人がブラインドテイスティング版オリンピックで世界1を目指す 白熱のワインバトルに挑む限界突破のドキュメンタリー」 ジンバブエ、南アフリカに隣接する国で 政情、保安等不安定な状況が続き、多くの難民が南アフリカに逃れて、厳しい生活を余儀なくされている。 そんな難民出身であり、本ドキュメンタリーの主役の4人、 彼らは努力と実力でケープタウンの1流レストランでソムリエとして活躍している。 コピーにあるように彼ら4人がワインテイスティングの世界大会に挑む姿をとらえているのだが それはあくまでも本作のテーマの一つときっかけに過ぎない、と思える。 肝はもっと大きなところにあり、 それを彼らの目と姿を通して 国や民族というものがなんであるかということを問いかけているのだと思うんだ。 例えば 作中でジャンシス・ロビンソン(世界で最も影響力のあるワインジャーナリスト。エリザベス2世から大英帝国勲章を授与された英国王室ワインセラーアドバイザー) が語った言葉にも大きな意味を感じた。 「ワインの世界はほぼ白人の世界であることで多様性が乏しいことで何かが失われている、 そうしたことが4人の参加で明らかになるのでは」 そうなんです、 この映画は 4人がこの世界大会に参加すること そこにいろいろな意味での「意義」があるということを気づかせてくれる作品だと。 昨今、本家のオリンピックは利権や資金、商業主義に翻弄され勝敗ばかりに注目が当たっている。 あのクーベルタンが引用して語った「勝つことではなく、参加することに意義がある」 この言葉をここでもう一度心に響かせてくれた 良いドキュメンタリーです! PS しかし、 ワインのブラインドテイスティング世界大会 ってすごいね。 ・ブドウの種類、産地 ・醸造所の場所名前 ・ボトリングの年代 それらすべてを五感を駆使して当てることを競うんですよ!? 神業としか思えません。 2022年12月16日 公開