見出し画像

「自分は若い」と思えば長生きできる?

次の質問に,あなたならどう答えますか?

◎実際の年齢よりも年長に感じたり,若く感じたりする人は少なくありません。あなたは自分自身が何歳に感じることが多いですか?

実際の年齢と,自分が何歳に感じるか。そのズレは,何歳くらいあるでしょうか。


主観的年齢

自分で自分自身が何歳くらいだと考えるかを,主観的年齢(subjective age)と言うようです。そして心理学では,この主観的年齢についての研究も行われてきています。

たとえばこれまでの研究だと,主観的年齢が若いつまり「自分は若い」と感じている人ほど入院の頻度が少ないとか,認知機能の衰えが少ないとか,認知症にも至りにくいとか,慢性的な疾患にもなりにくいとか。

逆に主観的年齢が高いつまり「自分は年老いている」と感じる人ほど,ストレスに弱く,うつ病になりやすい傾向があり,睡眠の質が悪い傾向も見られるそうです。

……総じて,「自分は若い」と感じることにはメリットがありそうです。

主観的年齢と生死

では「若いと感じている人は長生きする」と言われたら,どう思いますか?「自分は若い」と感じるだけで,その後の人生で長生きできるなんて,なかなかすごいことではないでしょうか。

実際に,そんな証拠はあるのでしょうかね……そこで,3つの大規模な調査データを分析してこの問題を検討した,この論文を見てみましょう(Subjective Age and Mortality in Three Longitudinal Samples)。

ここから先は

1,275字 / 1画像
【最初の月は無料です】心理学を中心とする有料noteを全て読むことができます。過去の有料記事も順次読めるようにしていく予定です。

日々是好日・心理学ノート

¥450 / 月 初月無料

【最初の月は無料です】毎日更新予定の有料記事を全て読むことができます。このマガジン購入者を対象に順次,過去の有料記事を読むことができるよう…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?