
自然の中での運動が精神的健康に影響する
メンタル面で不調を訴える人というのは,世界中であらゆる年代,民族,性別の人々の間で見られるものです。ある調査によると,過去1週間で6人に1人が,うつや不安など精神衛生上の問題を経験していると推定されているそうです。
身体活動
またこれまでの研究では,定期的な運動が,心理学的治療や薬理学的な治療と同じくらい,うつや不安に対して効果的だという報告もなされています。世界保健機関(WHO)も,精神的な不健康に対しては身体的な活動が有効だと提唱しているそうです。
世界中で研究も進んできており,どのような環境で運動をすることが効果的なのかという研究知見もあるそうです。たとえば,屋内のジムなど人工的な環境よりも,自然の要素を取り入れた環境で運動をするほうが,心理的な健康には有効だという研究結果もあるようです。ランニングをするなら,緑が見える場所のほうがよいのでしょうか。
レビュー論文
今回紹介する研究は,自然な屋外環境と都市部の屋外環境を比較して,心理的な健康に及ぼす影響を検討しようと試みるものですが,近年このテーマを扱う研究は増加傾向にあるそうです。そこで,これまでに行われた研究をレビューし,実際に差が見られるものなのか,差が見られるならどれくらいの効果があるものなのかを検討しようと試みています。
加えて,男女でその効果が異なるのかについても検討が行われています。では,こちらの論文を見てみましょう(Psychological benefits of outdoor physical activity in natural versus urban environments: A systematic review and meta-analysis of experimental studies)。
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