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純粋な善と悪を信じる傾向に関連する性格

物語の中に出てくる「悪」は,どうして「悪」なのでしょうか。

現実の社会の中では,誰かにとって「悪」でも,別の誰かにとっては「善」であることが多々あります。たとえテロリストであっても,誰かを何かから守るためにその行為を行っているのかもしれません。



純粋な悪

とはいえ,世の中には純粋な「悪」が存在するものだという考えを抱く人もいそうです。そこには,いくつかの「悪」の見方が関与しています。

たとえば純粋な悪というものは……意図的に危害を加える存在であり,個人的な喜びのために危害を加えるものであり,無垢で善良な人々に危害を加えるものであり,平和や安定を脅かす存在であり,集団の内部ではなく外部からやってくるものであり,悪の特徴というのは個人の中で安定したものであり,悪とは自己中心的なものであり,怒りを伴ったものである……という考え方です。

純粋な善

では逆に,純粋な善の考え方とはどのようなものなのでしょうか。

純粋な善というものは……意図的に他の人を助けることであり,利他的で無垢な状態で意図的に困っている人々を助けることであり,他人を傷つけることなく援助することであり,堕落(つまり「ダークサイドに墜ちる」こと)に対する抵抗を示すことであり,個人の中で安定した特徴であり,平和や秩序を求めるものであり,そして世の中では珍しい存在である……という考え方です。

世の中は悪に近い出来事が多く,純粋に善である存在というのはあまりない,というのが基本的な考え方のようです。

純粋な悪と純粋な善

純粋な悪を信じる傾向と,純粋な善を信じる傾向との関係は,どのようなものだと思いますか?善の逆が悪なのですから,互いにマイナスの関連を示すのでしょうか。

これまでの研究を見る限り,純粋な悪を信じる人々は,純粋な善も信じる傾向にあるようです。悪の人物が存在するなら,善の人物も存在すると考えるのでしょうね。

純粋な善と悪を信じる傾向は何に関連するのか

このような純粋の善と悪を信じる傾向は,何に関連するのでしょうか。この研究を見ながら考えてみましょうか。こちらの論文です(Using trait and moral theories to understand belief in pure evil and belief in pure good)。

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