
コメディアンは特別な性格をしているのか
日本のお笑いブームは根強く続いていますね。
子どもの時に見て今でも何となく覚えているのが,漫才ブームの火付け役になった「花王名人劇場」という番組です。それまで漫才は大人たちの娯楽という感じでしたが,そのあたりで一気に若者の文化に入り込んできた印象でした。
小学校何年生の時か忘れてしまいましたが,クラスの中の出し物で友達とコンビを組んで漫才かコントのような真似をした記憶が......。それくらい当時は流行っていたということでしょう。
ブームは去っても
お笑いブームの歴史についてはいくつかの波がありますが,21世紀になってからはすっかり定着した感があります。
昔は音楽やってバンドでひと旗あげるか,という若者たちが,コンビでM-1を目指しても違和感がなくなって来ています。
新しい人たちがどんどん流入してきて,歳をとってやめるというのもずっと先の話になるので,問題はどのあたりで飽和するか,だと思います。「若手芸人」と言われる人たちの年齢を考えると,ちょっとどうだろうかと心配になりますね。
面白い芸を見て笑っていられたら幸せなことだと思いますので,うまく回って行ってもらうといいなと思います。
性格と関連する?
さて,そんなお笑いを目指すような人というのは,何か特別な性格上の特徴はあるのでしょうか。とても素朴な疑問ですよね。
あればあるでその背後には何か特殊なプロセスがあるでしょうし,なければ「調べたけどありませんでした」と報告しておけば,他の研究者がまた調べてしまう労力を避けることができます。
こういう素朴な疑問であっても,調査をしてしっかり論文にまとめる研究者がいるのがこの世界です。ということで,そんな研究を見てみましょう。この論文(Comedians’ Mean Level and Stage Personalities: Evidence for Goal-Directed Personality Adaptation)です。
調査に参加したのは,77名のプロのコメディアン(67名が男性,平均年齢35.8歳)と,125名のアマチュアのコメディアン(107名が男性,平均年齢28.7歳)です。
それぞれのコメディアンは,コメディ・クラブに出演したときにジェネラル・マネージャーからe-mailで調査の依頼を受けます。そして,出演する楽屋の中で質問項目に回答したコメディアンと,メールで受け取って回答したコメディアンがいたそうです。出演したクラブから依頼が来れば,答えようとする動機づけは高まりそうです。
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