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ポピュリズムと性格

ポピュリズムとかポピュリストという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

ポピュリズム自体にもいくつかの意味があるのですが,たとえば日本語だと「大衆迎合主義」などと書かれることがあります。

政治の指導者が人びとの望むことに迎合して,人びとの望みを叶えるようなそぶりを見せたり,マスコミを使って人びとを操作したり扇動したりして権力を維持する構造のことを指す場合もあります。

ポピュリズムとは

この記事(ポピュリズムって民主主義と何が違う? 知っておくべき「5つの事」)では,ポピュリズムは「民衆の意見や選好をもとに政治を行う考え方」であり,「民衆」と「エリート」を分けて捉え,エリートを敵視することがよく行われるということが書かれています。そしてポピュリズムに対立するのが「リベラリズム」なのだそうです。

いちど本も読んでみると良いのではないでしょうか。

今の政治

そういうポピュリズムの意味を文章にしてみると,今の日本の政治もそれに近いような印象になってきます。

でも,「政治家は人びとの代表なのだから,人びとが望むことを実現して何が悪い?」ということも思いますよね。

政治的に右派でも左派でも,ポピュリズムとなる場合があります。しかし,たいていそこには,「現場が分かっていない頭でっかちの専門家」として研究者や官僚などがやり玉に挙げられ,敵意を煽って扇動していく様子が伴います。そして敵を作って扇動していくことで,人びとはその政治家を「自分の仲間で代表」だと考えていきます。

……やっぱり,どこかで見たことがありそうな風景に思えてきます。でも日本だけではなく,世界中で見られる政治を取り巻く風景のようです。

ただし日本の場合,もともとあるいは最近特に「専門家」「研究者」「官僚」「エリート」の地位があまり高くありませんので,攻撃対象としては弱いのかもしれないな……と思ったりすることがあります。

ポピュリストの性格

そんなポピュリスト的な態度が,どのような性格特性に関連するかということを検討した論文があります。この論文(The personality of populists: How the Big Five traits relate to populist attitudes)です。

分析に使ったデータは,2015年のイギリスの投票者のデータと,2017年のドイツの投票者のデータです。調査はオンラインで行われ,イギリスでは13回にわたって5000人前後が,ドイツでは8回にわたって1万人前後が参加したそうです。

ポピュリズムに関する調査と,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの尺度が調査に含まれていました。

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