年齢を重ねると身体イメージはどうなるのか
自分の身体のイメージに,どれくらい満足できているでしょうか。私自身はまったく満足できていないのですけどね(かといって何か積極的に改善することをするわけでもないのですが)。
多かれ少なかれ理想と現実の「ズレ」は,自己評価や自尊感情を低めることにつながります。理想の自分自身と現実の自分自身が近づいていくと,よりポジティブな自己評価へとつながっていきます。
そして,身体イメージ(ボディ・イメージ)も,理想と現実のズレを突きつけてくる問題の一つです。なぜなら,どう頑張っても理想に近づかない部分が出てくる可能性があるからです。
年齢
また,ボディ・イメージは,年齢とともに変化していきます。歳を重ねれば,自分の身体は一般的に先進諸国で理想とされる,細く若々しい身体から離れていくことになります。
女性であれば妊娠に出産を経ることで,体重の増加,体型の変化,肌のシミが増えるなどの変化を体験することになります。身体イメージの理想が高く厳格であるほど,こうした年齢に伴う変化を許容しづらくなるかもしれません。
男性はどうでしょうか。近年,男性のボディ・イメージの研究も注目されているようです。男性でも,理想と現実のボディ・イメージの差は大きな問題となり得ること,若い男性ほど自分自身の外見に不満を抱きやすいことなども報告されているようです。また欧米では,理想の男性の身体イメージがどんどん筋肉質になる傾向があるようで,そうなってくるとそこに近づけるのはなかなか大きな努力が必要になりそうです。
生涯にわたる変化
男女それぞれの身体イメージが,生涯を通じてどのように変化するのかを検討したニュージーランドの研究があります。こちらの論文で,結果を確認してみましょう(Body image across the adult lifespan: A longitudinal investigation of developmental and cohort effects)。
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