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離れ離れに育ったふたごの研究
ふたごには一卵性双生児と二卵性双生児がいます。
一卵性双生児は1つの卵子と1つの精子が受精した後で,なんらかの理由で2つに分割したものです。一方で二卵性双生児は,2つの卵子に2つの精子がそれぞれ同時に受精して成長したものです。
一卵性双生児のきょうだいは,もともと1つの受精卵が分かれていますので,遺伝子はほぼ100%同一だと考えられます。一方で二卵性双生児のきょうだいの場合には,約50%が同じだとされています。ある1つの場所の遺伝子が,母親もしくは父親からもたらされますので,重複の確立は50%だということですね。
離ればなれの双子
一卵性双生児も二卵性双生児も,生まれてから一緒の家庭で育っていれば,同じような環境が双子を似たものにさせるのでは?と考えることもできます。では,生まれてすぐに離ればなれに育った場合には,どうなるのでしょうか。
アメリカのミネソタ州で行われた,MICTAR(Minnesota Center for Twin and Adoption Research)という研究プロジェクトがあります。1979年にはじめられて以来,アメリカ合衆国とイギリスで100組以上の離れて育ったふたごや三つ子が研究プロジェクトの調査に参加しています。
わかったことは?
この研究で明らかにされたことは,次の2点に要約することができます。
(1)遺伝的な要因は,広い範囲で行動のバリエーションに影響を及ぼす
(2)多くに心理的な特性において,同じ家庭で育てられることの影響は,ほとんど無視できるほど小さい
特に2点目の結論に関しては,驚くかもしれません。
何が行われた?
この研究の参加者は,合計50時間にも及ぶ医学的・心理学的なさまざまな検査や調査に回答しています。知能検査に各種性格検査,生活歴の面接,精神医学的な面接,性生活史についてのインタビューも,その中に含まれています。
今回はこの論文に従って,研究プロジェクトの概要を見ていきたいと思います(Sources of human psychological differences: the Minnesota Study of Twins Reared Apart)。
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