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年齢に対する偏見とコロナ禍のソーシャルディスタンス

年齢に基づく偏見や差別,過剰な一般化などを総称して,エイジズムと言います。

◎最近の若い者は…
◎お年寄りは頭が固い
◎年をとったからしょうがないよ…

こういった発言もエイジズムの例ですし,「若さが何よりも重要」と考えること自体も,エイジズムにつながる思考です。さらに「高齢者というものはか弱く,社会が守らなければいけない」と考えることもエイジズムです。年齢に伴って,年齢を理由にして「こうだ」と断言することは,エイジズムの危険性があります。


自分に向かうエイジズム

このエイジズムは,他の人に向けられるだけでなく,自分自身にも向けられます。すると,いくつかの問題をもたらすことになります。

たとえばステレオタイプの具現化です。「年をとったらこうなる」と信じることで,まるで自分がそうなっていくかのように実際に変化していってしまうという傾向です。

また,ステレオタイプ脅威の問題もあります。「年をとると能力が下がる」というステレオタイプをもつと,能力が試される場面で実際よりも低い能力しか発揮できなくなってしまうかもしれません。

新型コロナウィルス感染症とエイジズム

新型コロナウイルス感染症は,年齢に大きく関連することが知られています。死亡率も高齢者の方が高く(ワクチン接種がない状態では),「若者の社会的移動」が問題視されたりする様子は,私たちが何度も見てきたことですよね。

エイジズムの信念は,新型コロナウイルス感染症に対する対処のしかたにも影響を与えるのでしょうか。敵対的な信念も善意的な信念も含めて,全体的なエイジズムの信念が,コロナ渦中のソーシャル・ディスタンスに影響するかどうかを検討した研究があります。この論文を読んでみましょう(Ageism as a Modifying Influence on COVID-19 Health Beliefs and Intention to Social Distance)。

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