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教師の評価は生徒の将来を予測するか
パーソナリティ特性を評価すると,ときに全体としてひとつの因子に収束する現象が見られることがあります。パーソナリティの統合因子として,GFP(General Factor of Personality)と呼ばれています。ビッグ・ファイブ・パーソナリティのような正常範囲のパーソナリティでもGFPは観察されますし,パーソナリティ障害のような病理的な側面でも病理的GFPが観察されることがあります。
GFP
GFPが何を意味するのかについては,研究の中でいろいろなことが言われています。
◎人間は往々にして,楽観的な見方をするのでそのような見方が反映する
◎他人に良く思ってほしい自分の姿が反映する
◎進化的に生存の役に立ってきた総体としての意味がある
◎全体的な社会的な適応を意味している
◎心理的な適応や健康の相対的な意味を持つ
もしもGFPが人工的なバイアスなのであれば,研究上の厄介な余分な情報ですので,コントロールする必要があります。しかし,何らかの積極的な意味があるなら,その意味を検討していく必要があります。
確かに,GFPはさまざまな望ましい指標との間に関連がありますので,社会的に望ましい何かを反映している可能性はあります。しかし一方で,やはりGFPは自己報告で測定された結果でよく観察されるという研究もあります。
他者から見える要因
今回紹介する研究では,生徒たちが16歳の時点で教師が評価したパーソナリティと認知能力を問題とします。そして,生徒たちが50代になった34年後に,もういちど追跡調査を実施します。30年以上前の教師の評価が,中年期になった現在のGFPを予想するのでしょうか。
こちらの論文を見てみましょう(Using teacher rated sociability and social effectiveness to predict the general factor of personality)。
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