
自分の性格が変わったと感じる人の特徴は?
皆さんは,自分の性格が「変わってきた」と感じるでしょうか,それとも「昔から全く変わっていない」と感じるでしょうか。
パーソナリティの発達の話を授業ですることがあるのですが,おそらく授業を受けたときの反応のしかたは,自分自身がそれをどのようにとらえているかによっても変わってくるように思います。
自分で自分の変化をどのように考えているかということもありますし,周囲の人から指摘されることもあることでしょう。自分では自覚がないのに「変わったね」と言われるような経験です。いや,実際には変わるものですよね。学生たちが卒業してしばらく経ってから再び会うと,ずいぶん変わった印象を抱くことがあります。
実際の変化
実際にパーソナリティがどのように変化していくかについては,多くの研究が行われています。いくつかポイントをまとめておくと,次のようになります。
◎パーソナリティは徐々に変化するので「○歳で完成」ということはない
◎比較的若い時期の方が変動は大きい傾向がある
◎特定のパーソナリティ特性は年齢とともに特定の方向に変化する
◎特に協調性と勤勉性は,成人期を通じて平均値が上昇する傾向がある
◎神経症傾向は思春期に高くなり,成人期を通じて徐々に低下する(特に女性)
色々な研究知見があるのですが,「3歳で性格は完成する」といったようなことは,研究結果で示されているわけではありません。
過去の性格変化
さて,どんな人が「自分は大きく性格が変わった」と感じる傾向があって,どういう人が「自分は変わらない」と感じがちなのでしょうか。こういった感じ方には個人差があるのですが,何かがそこに関係していると考えられます。そんな研究を見てみましょう。こちらの論文です(How did I get here? Individual differences in perceived retrospective personality change)。
ここから先は

日々是好日・心理学ノート
【最初の月は無料です】毎日更新予定の有料記事を全て読むことができます。このマガジン購入者を対象に順次,過去の有料記事を読むことができるよう…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?