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ダークな性格の持ち主は幸福なのか

割引あり

幸福感やウェルビーイングの研究では,どのようにしたら幸福な人生を歩むことができるのか,という点も重要な研究のひとつです。

パーソナリティ特性も,幸福感やウェルビーイングに関連する要因として,多くの研究で扱われてきました。一方で,マキャベリアニズム(他の人を思い通りに利用する),サイコパシー(冷淡で倫理観をあまり抱かない),自己愛(誇大な自己感覚をもち周囲の人にも特別扱いを求める)といった,ダークなパーソナリティと幸福感やウェルビーイングとの関連は,十分に検討されていないかもしれません。


幸福

主観的幸福感(主観的ウェルビーイング)は,一般的に自分の生活状況に関する主観的な認識とされており,生活満足度(人生満足度)とポジティブ感情の高さおよびネガティブ感情の低さによって構成されます。

一方で,心理的幸福感(心理的ウェルビーイング)について,少し違う観点で定義することもあります。こちらは,自分の潜在的な能力を最大限の発揮するために,人生で求められることに対して心理的にどのように機能するかを表すものであり,自己受容,自律性,肯定的な人間関係,個人的な成長,環境的な達成感などの内容を含むものです。

主観的幸福感は快楽の最大化と苦痛の回避に重点が置かれるのに対し,心理的幸福感は個人の自己実現や発達,人生の意味を重視する内容となっています。

ダークな性格と

ダークなパーソナリティの持ち主は,はたして幸福なのでしょうか。なんとなくネガティブな心理特性なのですから,幸福感とはマイナスの関連をしそうです。

しかし,ダークな特性の持ち主が幸福であっても,何もおかしくはありません。独特の幸福のパターンがあるかもしれませんよね。

そこで,メタ分析によってダークなパーソナリティと主観的幸福感や新知的幸福感との関連を検討した研究を見ていきましょう。こちらの論文です(The links of subjective and psychological well-being with the Dark Triad traits: A meta-analysis)。

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