幸福な人はどんな行動をとりがちなのか

より幸福感を感じる人と,そうではない人とでは何が違うのでしょうか。幸福な人はどんな行動をとりがちなのでしょうか。

心理学者リュボミルスキー(Lyubomirsky)は,解釈理論と呼ばれる考え方を提唱しています。人びとは同じ状況を経験するのですが,より幸福な人はよりその状況を楽しむ傾向にあるというものです。

ということは,幸福感が高い人と低い人におなじ経験をさせると,幸福感が高い人のほうがよりポジティブな感情を抱くということになります。これは実験してみる価値がありそうです。



幸福な人の評価

そこで,実験室にやって来た実験協力者たちに同じ状況を体験させ,その状況の解釈がどのように変わるのか,またそこでの解釈がどのように行動に影響するのかを検討した研究を見てみたいと思います。

行動の評価は,自分についてインタビューされる場面と,見知らぬ人との交流を行う場面という,2つの異なる場面で観察された内容に基づきます。どちらの状況でも,ビデオに録画された行動を見て評価された内容と,自分自身でアンケートに回答するという方法で測定が行われます。

おそらく,幸福感と,よりポジティブな感情を反映した行動とのあいだに関連が見られるだろうと予想されます。ちなみに,この研究は探索的に行われたことから,事前登録はされていないと論文に書かれています。しかし,すべての資料,データ,分析に用いた統計ソフトウェアRのコード,そして結果は,osf(オープンサイエンスフレームワーク)のページで公開されていると書かれています。

では,こちらの論文で内容を確認していきましょう(What happy people do: The behavioral correlates of happiness in everyday situations)。

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