
教師のバーンアウトの背景
認知欲求(Need for Cognition:NFC)という概念があります。これは,努力を伴う認知的活動をしようと求め,その活動を楽しもうとする,比較的安定した内発的動機づけであるとされます。
認知欲求の関連
認知欲求は,これまでの研究の中で,次のような結果が報告されているそうです。
◎学業成績との間にはプラスの関連
◎仕事や授業が終わった後にポジティブな感情をもつ傾向
◎仕事への意欲が高い傾向
◎自分の役割を明確に意識する傾向
◎授業に対する不安が少ない傾向
これらは,どちらかというとポジティブな結果を表現しています。認知欲求の高さは,仕事や勉強の場面で,望ましい結果をもたらしそうです。
燃え尽き
しかし,一生懸命に取り組むことで,よくない結果をもたらす可能性もあります。
そのひとつが,燃え尽き症候群(バーンアウト)です。職場において長期にわたって過剰な刺激がもたらされることによって引き起こされる疲労が生じ,結果的に従業員が不満を抱き,病気になりやすくなり,パドーマンスが低下します。
燃え尽き症候群は,医療や教育といった,社会的な仕事で特に多く見られると言われます。大学教員の場合には,学生数が多いほど,教育の負荷が高いほど,また成都の採点に費やす時間が長いほど,バーンアウトの得点が高くなる傾向が見られるそうです。
教師のバーンアウト
教師がバーンアウトの状態になりやすいというのは確かなようですが,認知欲求からバーンアウトにつながる道筋は見出されるのでしょうか。ドイツで行われた研究がありますので,こちらを見ていきましょう(Need for cognition and burnout in teachers – A replication and extension study)。
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