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性格とマインドワンダリングと取り残される不安とスマホ依存の関係
大事な会議や授業のときに,ぼーっと他のことを考えてしまうことがあります。これをマインドワンダリングと言います。
スマートフォン
私たちの生活に欠かせないスマートフォンですが,その歴史は浅いものです。とはいえ,初期のスマートフォンは今のような平らなデバイスではなかったのですが,日本でiPhoneが発売されたのは2008年(ソフトバンクから発売)のことでした。もう今や,通勤電車の中ではほぼ全員がスマホで何かをしています。
スマートフォンを使いすぎて問題になるのではないかということも,報告されています。ストレスや抑うつ,不安など多くの問題が,スマホの使いすぎか羅報告されていて,いわば「スマホ依存」のような状態になる人も多くなっています。誰でも多かれ少なかれ「スマホ依存状態」になってしまいそうではありますが……。
I-PACE
I-PACE(interaction of person-affect-cognition-execution)モデルというものがあります。これはもともと,依存状態の出現を説明するためのモデルで,スマホ依存にも適応できるかもしれません。
このモデルでは,人(P)の中核的特性であるパーソナリティ,遺伝,精神病理学的,認知的な特徴と,行動特異的な要因(欲求・動機・価値観)の相互作用(I)が,外部あるいは内部の行動を生起させる要因の認知に影響することを仮定します。そして,個人の対処行動や報酬への期待が,ネット上の活動への欲求を誘発して,感情的(A)反応や認知的(C)反応につながる可能性があるとされます。
ここで,取り残されるのではないかという不安(FoMO)とマインドワンダリングが,パーソナリティ特性(P)からスマホ依存へとつながる間の感情(A)と認知(C)の役割を演じるかもしれません。
関連
実際には,どのような関連が生じるでしょうか。ビッグ・ファイブ・パーソナリティ,FoMO,マインドワンダリング,そしてスマホ依存の関係を検討したドイツの研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Mind-Wandering Mediates the Associations Between Neuroticism and Conscientiousness, and Tendencies Towards Smartphone Use Disorder)。
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