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GHQとB5の関連
心の健康とは,何を指すのでしょうか。WHO(世界保健機構)による心の健康は,それぞれの人が自らの可能性を発揮し,人生や生活の中で見られるストレスにうまく対処でき,実りある仕事をすることができ,地域社会に貢献することができる幸福な状態のことを指すとされています。おそらく,一般的にイメージされる「心の健康」よりも,広い範囲を指しているのではないでしょうか。
心の健康は,人生全体の幸福にもつながる,重要な要素です。
健康・不健康
昔から,薬物乱用,不安,苦痛,落ちこみ,抑うつといった状態を観察することで,心の「不健康」を見出して対処することは広く行われてきました。しかし,心の健康状態というのは,「精神疾患がないこと」ではありません。それよりもプラス方向,身体的にも精神的にも社会的にも良好な状態にあることを指します。
GHQ
心理学で精神的健康を測定するツールとしては,昔から「GHQ」が知られています。General Headquarters(総司令部)ではなく,General Health Questionnaireの省略形で,日本語では「一般健康調査票」と呼ばれます。
日本では販売されていて,使う際にはセットを購入する検査なのですが……
しかし,論文に質問項目が掲載されちゃったりもしていて(特に質問項目数が多くないバージョン),研究目的で自由に使われちゃっているのではないかという気もします。
因子
近年,海外の研究でも,GHQの因子構造が検討されてきているそうです。もともとGHQはひとつの因子,ひとつの得点で評価するものなのですが,海外の研究の中では2因子や3因子がデータに適合しているのではないかという議論も行われているようです。
3因子モデルでは,次のような内容から構成されます。もとになっているのは12項目番のGHQです(日本でも12項目版がいちばん使われているような気がします……なぜなら論文に質問項目が掲載されちゃっていますので)。
◎GHQ-12A:社会的機能障害と無気力(6項目)
◎GHQ-12B:抑うつと不安(4項目)
◎GHQ-12C:自信喪失(2項目)
もともとGHQは60項目あって,さらに複数の短縮版が作成されています。また回答の形式も0点,1点,2点,3点という4段階のものと,0点,0点,1点,1点という2段階のものがあります。研究では「どれを使ったか」をちゃんと書いておく必要があります。
性格とメンタルヘルス
パーソナリティ特性が心理的な健康に関連することは明らかなのですが,まだまだわかっていないこともたくさんありそうです。
イギリスのダイキの場調査プロジェクトのデータを用いて,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとGHQの因子との関連を検討した研究があります。では,こちらの論文を見てみましょう(Personality traits and dimensions of mental health)。
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