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外見に不安を感じる人は
外見への不安は,他の人々から自分自身の外見に対してネガティブな評価が生じるのではないかという恐れを伴う,社会不安のひとつのパターンです。外見に不安を感じる要因の背景には,いろいろな要因が想定されます。
メディア
テレビや雑誌,オンラインのメディアでも,「身体的な美しさ」についてある特定の単一的な美の評価を賞賛する傾向があります。もちろん細かく見ていけば内容の違いはあるでしょうが,多くの人が「美しい」「かわいい」と感じるものには一定の方向性があります。
メディアが賞賛する美の表現と自分自身を比較すれば,大多数の人にとっては自分自身の身体の評価が「悪化する」ことになります。メディアに登場する「美しい人」は,外れ値のようなものなのですから,それらと比較すると自分の身体への評価が低下するのは当然です。
自分自身の容姿が比較する基準からかけ離れてしまっている場合には,何らかの対処をしようとすると考えられます。服装や化粧などの外見の装いだけでなく,美容整形や形成手術へとつながるかもしれません。また,摂食障害や社会不安障害など,精神的な問題にもつながるかもしれません。
ダークな性格
サイコパシー,ナルシシズム,マキャベリズムは,「ダーク・トライアド」として説明されています。サイコパシーは,冷酷さ,衝動性,スリルを求める傾向,共感能力の欠如によって特徴づけられます。ナルシシズムは,特権意識,自己の誇大感,自己中心性,優越感といった内容を伴います。そしてマキャベリズムは,人を操る傾向,利己主義,冷淡な感情,欺瞞的であることを特徴とします。
ダーク・トライアドのそれぞれは,対人関係で問題を抱える傾向に関連します。いずれもどちらかというと対人関係で敵対的であり,孤立しがちでもあります。社会的関係の中で孤立する傾向は,不安を示す症状にも結びつく可能性が高くなります。
近年,サディズムを加えてダーク・テトラッドで研究する枠組みも進んでいます。サディズムは,他者の苦痛や苦悩,残酷な行為や敵対的行為を「楽しむ」「面白い」と思う傾向のことです。
自己隠蔽
自己隠蔽(self-concealment)という概念は,苦痛を避けるために他者に対して親密でネガティブな個人的情報を意識的に隠す傾向のことを指します。隠される情報には,自分の考え,自分の感情,自分が行う行動,イベントなども含まれます。いずれもネガティブな価値観を持つものであり,プライベートな情報を伴い,意識的にアクセスできるものです。
自己隠蔽は,抑うつ,不安,孤独,アレキシサイミアなどネガティブな感情を伴う特性に関連します。また,自己隠蔽が強い人は,より強い抑圧を抱きやすいという特徴もあります。自己隠蔽は外見の不安にも関連しやすいと考えられます。
関連
社会的な外見への不安と,ダーク・テトラッド,そして自己隠蔽は,どのような関連を示すのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Social appearance anxiety among the dark tetrad and self-concealment)。
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