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効果が生まれるまでの時間と地域のばらつきと企業の生存期間

日本も人口減少が問題視されるようになってきました。以前も書きましたが,自分が生まれた頃は「人口爆発」「食糧がなくなる」「地球上が人間で溢れる」と言われていて,日本全体の問題として「子どもを計画的に生みましょう」ということが提唱されていました。

それが半世紀経って「子どもが少ない!」と言い始めたのですから,見事に政策が実現したというわけですね。

もちろん皮肉です。

政策の実現年数

気になるのは,何かの政策を行ったら何年くらいで効果が生じるのかという問題です。

いま少子化対策をしたとして,「じゃあすぐに子どもを作ろうか」となることなんて,とても想像できません。

民主党政権が当初に掲げていた子ども手当がそのまま20年くらい継続していたら,もしかしたら大きく違う未来が見えたかもしれないなと思っていたのですが,その未来は変わってしまいました。いちばん子どもを生んだら子どもの数に大きく影響したであろう私の世代(第二次ベビーブーマーで人数が多い)も,すでに高齢になってしまいましたので,タイミングも逸してしまいましたね。

効果が生じる時間

この「効果が生じるまでの時間」ということは,心理学でも大きな問題になることだと思います。

人に何かを働きかけたとして,その効果はどれくらいの時間で生じるのか,という問題です。その影響は一瞬で生じるのでしょうか,1日?1週間?数ヶ月なのか数年なのか,もしかしたら数十年かかるのか......。

よく「そういうことが起きるのはこういうことが起きたからだ」と原因を求めるのですが,インパクトの大きさと影響が生じるまでの期間についてはもう少ししっかりと考えておきたいなと思います。

地域の影響

さて,「ここに住むからこういうことになる」という考えにも根強いものがあるように思います。

やっぱり東京に住まないと色々なことができない,と考えたり,東京の中でも〇〇区じゃないと,ということが言われたり。

アメリカ合衆国のように広大な土地に都市が点在していて特徴にもバリエーションがあって,さらに都市の中でも経済や人種にばらつきがあると,どこに住むかという問題は大きなものになります。

どこで企業が生まれるか

そういう地域の違いに注目した研究というのは,心理学でも盛んに行われつつある分野のひとつです。ひとつの例としてこんな研究を見てみましょう。この論文(Regional variation in courage and entrepreneurship: The contrasting role of courage for the emergence and survival of start‐ups in the United States)です。

アメリカのどういった地域で会社が興りやすいのか,そういった地域には人々の特徴が何かあるのかということを,この研究では検討しています。

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