不安な人の成功戦略
同じように締め切りを守ったり良い成績を取ったりしていても,動機づけのありかたが全然違うことがあります。結果としては同じなのですが,その経路が違うという可能性です。
ある人は,時間内にきっちりこなすことが当たり前だと思っていて,計画を立てて少しずつ取り組みます。
別の人は,とにかく締め切りがやってくるのが嫌で,それを逃れるために早くこなしてしまおうと思います。
この両者は同じような結果を得ているのですが,原動力が違います。前者は心理的にも安定しているのですが,後者はある種,不安が原動力になっています。
悲観性
将来をネガティブに捉えることが,悲観的な物事の見方です。これを裏返せば,将来をポジティブに見る楽観性になります。
でも,真逆ではないみたいなのです。
この論文で外山先生が両者を別の次元で捉える尺度(楽観性・悲観性尺度)を作成しています。両因子の間の相関はr = -.67と,ネガティブで大きな値ですが,完全に真逆ではないとは言えそうです。
楽観性のことを「気楽に考えること」「深刻に捉えないこと」と捉えている人が多いようなのですが,それは違うのです。将来を見たときに,ポジティブに考える程度のことです。
悲観性についても,「将来良いことが起こらない」と考えることよりは,積極的に悪いことを予測してしまうことが悲観性の定義に近い考え方のようです。
2つの悲観性
将来をネガテイブに捉える同じ悲観性でも、過去の捉え方によって2つの種類に分けることができます。
ひとつは過去もネガティブに捉えることであり、もうひとつは過去が必ずしもネガテイブではないと認識しているとこです。
過去がネガテイブ+将来がネガテイブ → 真の悲観主義
過去がポジティブ+将来がネガテイブ → 防衛的悲観主義
過去にうまくいっているという実績があるにもかかわらず、つねに将来におこる最悪な結果を予想してしまい考え込んでしまって不安が強く、とはいえ結果的にはうまくこなして良いパフォーマンスを残すということができるのが、防衛的悲観主義の特徴です。
これも外山先生の論文ですが,防衛的悲観主義者の学業成績が悪いわけではないことを示しています。
学生に多い
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