ダークな人の職場での振る舞い
もしもあなたなら,給料と人間関係のどちらを職場に求めるでしょうか。就活をする学生の皆さんにとっても,こういう問題は切実なものかもしれません。
給料の高さですか?それとも職場の人間関係ですか?
いや,そんなことはなかなか比較するのは難しいことですよね。いったい給料がいくらもらえたら,どれくらいの職場の人間関係の悪さと釣り合うのか,正直言ってよくわかりません。
反生産的職務行動
職場での盗みやいじめ,ハラスメント,サボり,相対,職場での過度な政治活動などを総称して,反生産的職務行動(counterproductive work behavior;CWB)と言うそうです。「言うそうです」とはいえ,日本語での言い回しはこれが正しいのかどうかはわかりません。
でも,訳語はさておき,こういう人が職場にいると困るだろうな,という予想はつきます。
ただ,いろいろな内容が含まれていますので,「誰が困るのか」はその中身によって変わってきますけれども。同僚なのか,上司なのか,それとも会社全体なのか。
困った社員と性格
そんな,反生産的職務行動とパーソナリティとの関連を検討した研究があります。この論文(A meta-analysis of the Dark Triad and work behavior: a social exchange perspective)です。
ダークなパーソナリティ
この研究で注目しているのは,ダークなパーソナリティです。他の人を自分の思い通りに動かそうとするマキャベリアニズム,共感に欠けるサイコパシー,そして自分を誇大な存在と考える自己愛(ナルシシズム)の3つですね。
確かに,この3つのパーソナリティであれば,反生産的職務行動に関連しそうではあります......。
メタ分析
この論文では,職場での行動とダーク・トライアドとの関連をメタ分析で検討しています。メタ分析ですので,過去の研究の中で,この問題を扱っている論文を探して統計値を統合していきます。
集めた研究は245,全体で43,907人分のデータになっていました。
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