貧乏ゆすりは健康に良い?
アメリカに行って子どもを学校に入れようとするのは,大変なことじゃないかと思いますよね。テキサスに行ったときは,まずホームページで校長先生のメールアドレスを見て,メールを出すところからスタートでした。
子どもが入学しようとしていた地元の公立小学校の校長先生は女性の方で,名前を調べると色々な手を打って小学校のランクを上げようとしている,やり手の校長先生のようでした。
夏休み(新学期が始まる前)に子どもと小学校に行き,校長先生にお会いしたときのことです。図書室で向かい合って座り,子どもの様子や入学する学年について相談をしていました。その間,ずっと校長先生が貧乏ゆすりをしていることが気になってしまってしょうがなかったのです。だって,気になりませんか?
その後あれこれと観察していると,アメリカでは貧乏ゆすりをすることに対して特に何も思われないことが多く,男性も女性も,子どもも大人もよくやっています。特に「してはいけない」というマナーがあるわけではないようなのです。
日本では家庭の中で貧乏ゆすりをしていると「やめなさい」と言われます。そのことをアメリカの知り合いにいうと「どうしてダメなの?」という反応だったのが面白いと思いました。むしろ「日本ではどうしてダメなの?」と逆に聞かれてしまいました。
目次
・貧乏ゆすり
・英語ではなんという?
・貧乏ゆすりと健康
貧乏ゆすり
何を隠そう,私もleg-shakerなのです……。以前の学生に言わせると「イライラすると出てくる」そうです。たしかにそうかも。気をつけてはいるのですが,出てしまうものはしょうがありません。
先ほど言いましたが,じっとしているときに足をぶらぶらさせたり上下に揺らしたりすることを日本語で「貧乏ゆすり」と言います。この言葉は不思議です。どうして「貧乏」なのでしょう。
お手軽にWikipediaで調べてみましょう。
貧乏ゆすりと名前がついた理由にはいくつか可能性あるようです。
・貧乏人が寒さに震える様子から
・高利貸しが貧乏人から取り立てる際に足をゆすることが多かったから
・江戸時代に足をゆすると貧乏神に取り付かれるといわれていたから
・貧乏人がせかせか動いているように、高貴な人からは見えるから
・貧乏人が緊張のあまり、足をゆすっていたから。
子どもも「貧乏ゆすりすると貧乏になるよ!」と言うくらい,日本では足をゆする行為に「貧乏」が結びついています。なのに理由がよくわからない,というのが不思議です。
英語ではなんという?
ガタガタと膝を揺らす行動が貧乏という言葉と結びついているのは日本だけで,英語ではなかなかそれを的確に表す言葉がありません。「leg-shaking」とか「knee-shaking」と言えばだいたい通じるようですし,「fidgeting」という言い方もします。
でも「fidgeting」は,貧乏ゆすりだけではなく,ペン回しとか唇をかむとか,指の皮をめくるとか,落ち着きなく繰り返される行動全体を指す言葉です。
そうそう,あれですよ。日本語だと「ハンドスピナー」と呼ばれるおもちゃです。
これ,英語だと「fidget spinner」と言うのです。手持ち無沙汰なときやつい何かしてしまうとき,ペン回しのかわりにこれを回すというイメージです。
貧乏ゆすりと健康
海外ではleg-shakingが「よくないもの」とされているわけでもないですし,社会的にも健康上も問題のある行動だと考えられているわけでもないことから,貧乏ゆすりの研究というのは多くありません。
その中でも,この研究は興味深いものです。座っている時間と貧乏ゆすりと死亡率を調べた研究です。
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