
ダークな性格とひどい飲酒には関連があるのか...ナイジェリアの研究の場合
春になると,花見や歓迎会などでお酒の量が増えるものです……通常であれば,ですけれども。コロナウィルス感染症が蔓延している中では,大規模な飲み会そのものが自粛の対象ですので,大勢で飲んでいて楽しくてつい飲み過ぎてしまう,という体験は少なくなっているかもしれません。
日本だけでなく
海外では,飲酒量の多い大学のランキングが発表されていたりもします。こういった大学は「パーティスクール」と呼ばれて,
The Princeton Reviewの『Party Schools』のランキングによると,パーティスクール第1位は,アラバマ大学タスカルーサ校,2位はデラウェア大学,3位はシラキュース大学……と続きます。
楽しそうに思うかもしれませんが,アメリカで飲酒が可能なのは21歳以上です。そそてパーティーが多い大学というのは,それだけドラッグに触れる危険性も高くなりますので,留学をするときには要注意です。
アフリカの場合
今回紹介する研究は,アフリカのナイジェリアにある大学で調査がおこなわれた内容を分析したものです。アフリカの大学でも,飲酒の問題が話題になっているのでしょうか。論文の冒頭を読むと,どうもそのようです。ナイジェリアのほとんどの大学では,危険な飲酒が問題になっていて,若年層の犯罪や破滅的な行為へとつながる危険性が指摘されているようです。
ナイジェリアでは18歳以上の飲酒そのものは許容されているのですが,一部の学生では犯罪や精神的な疾患などに関連することが問題となっているようです。
飲酒とダークな性格
今回の研究は,危険な飲酒とダーク・トライアド(マキャベリアニズム,サイコパシー,ナルシシズム)との関連を検討するものです。ダークな性格は,飲酒そのものに関連する可能性もありますし,全体的に短期的な生存戦略つまり,刹那的な生活スタイルになりやすいとも言われています。
では,ナイジェリアの大学生たちを対象とした調査でも,過度な飲酒とダークな性格との関連は見られるのでしょうか。というわけで,この論文を見てみましょう(Hazardous drinking and the dark triad: an antidote for manipulative behaviour among students)。
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