
陰謀論に関連する性格をメタ分析でまとめると
何かの出来事が起きた時に,一般的に知られていることの背景に,なんらかの悪事を働く集団による陰謀が隠されていると信じることを,陰謀論と言います。
これまでにも,陰謀論を信じる傾向がどのようなパーソナリティ特性に関連するかという研究を紹介する記事を書いたことがあります。
陰謀論の功罪
アメリカ合衆国の人びとのうち,約55%は少なくとも1つの陰謀論を信じているという報告があるそうです。もちろん,どの陰謀論を信じやすいかについては,内容のトピックによって大きく異なります。
ネットを見ていると,日本でもさまざまな陰謀論が記述されていることがわかります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がらみでも,ワクチンがらみでも,さまざまな言説が見られますよね。
陰謀論は,必ずしも「悪い」と言い切れるものでもないようです。しかし,それは「結果論」でもあります。なんらかの異常の発見や政治家の汚職の発見などを通して,結果的に社会の改善につながった陰謀論もあると言えるでしょう。「事実がわからない」というなかで,人びとはさまざまな解釈の仕方をしていきます。陰謀論のような思考をすることでうまくいく,という事例があるのも確かなのです。
さまざまな心理特性
ビッグ・ファイブ・パーソナリティだけでなく,自尊感情や自己愛傾向,疑似科学を信じる傾向,宗教性,統合失調症型パーソナリティなど,陰謀論に関連するかもしれない心理特性は非常に多くあります。
今回紹介する研究では,15種類の心理特性に注目して,陰謀論との関連をメタ分析の手法を用いて検討しています。こちらの論文を見てみましょう(Who believes in conspiracy theories? A meta-analysis on personality correlates)。
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