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かわいくてクシャクシャしたくなるという攻撃性

「わあ!かわいい!」といいながら,クシャクシャクシャ……とぬいぐるみや子犬や子ネコをぎゅっともったり,愛情から恋人をつねったりしてしまう行為って,ありますよね。先日も学内で学生カップルが歩いている時に,相手の髪の毛をクシャクシャしていて微笑ましく思ったものです。

実際にそういう行為をしなくても,なんとなくそうやってしまうかもな,とは思うかもしれません。

キュート・アグレッション

そういう行為に名前がつけられているのを知っていましたか?
◎キュート・アグレッション
と言います。

「cute」は「かわいい」ですよね。そして「aggression」は「攻撃性」です。

「攻撃性」?と不思議に思うかもしれません。だって,どちらかというと微笑ましい行為ですからね。とはいえ,つねったりぎゅっと強く掴んだり,噛みついたり,時には相手を傷つける行為となることから攻撃性の一種として扱われています。

かわいいと攻撃したくなる

そんな,キュート・アグレッションについて検討した研究が,この論文です(Dimorphous Expressions of Positive Emotion: Displays of Both Care and Aggression in Response to Cute Stimuli)。

かわいい写真とそうではない写真

研究1の目的は,「より幼くてかわいい赤ちゃんの写真はより効果をもたらす」という傾向を検証することです。赤ちゃんの写真をたくさん用意するのですが,その中には「幼くてかわいい」赤ちゃんと「あまりそうではない」写真が混ざっています。

もしも「より幼くてかわいい」赤ちゃんの写真が示されたときには,(1)よりポジティブな感情が生じ,(2)より「世話をしたい」という態度が現れ,そして(3)より攻撃をする傾向が見られるだろうという仮説が立てられています。

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