運転スタイルと性格
東京に来て驚くことのひとつは,運転免許を持っていない,車も持っていない,という人が意外と多いことです。
私は愛知県で生まれ育ちましたし,家の周りはバス路線少なく不便な場所でしたので,車での移動をするのが当然でした。都市部以外の大部分では,自動車がないと不便な状況は変わっていないと思います。
自分はどうも小さいときから車に乗るのが好きだったらしく,寝つきが悪いときは両親が私を車に乗せてドライブに行くと寝始める,という厄介な癖を持っていたようです。
また実家にあった車はマニュアル車でしたので,助手席に乗ってシフトノブを動かす真似をしたり,たまに実際にギアチェンジさせてもらったりしたこともあります(父親がクラッチを踏んで「今だ!4速に入れて!」という声に合わせてギアチェンジする)。おかげでギアチェンジのタイミングをいつのまにか身につけていて,ずっとあとに自動車学校でマニュアル車の講習を受けたときもまったく問題ありませんでした。
性格と自動車の運転の論文
たいていの行動を扱う心理学の論文があるものです。ですから,運転をするスタイルや行動と性格を扱う論文も当然のように出版されています。
調査の対象は中国のドライバーです。調査は,WeChatという,中国のFacebookのようなSNSで行われたそうです。18歳以上で,運転免許を持ち,少なくとも1年以上の運転歴があるという条件で,20歳から56歳までの296名が質問紙に回答しました。
運転の特徴
運転の特徴は,中国版多面的運転スタイル尺度(multidimensional driving style inventory; MDSI)と,運転行動目録(Driver Behavior Questionnaire; DBQ)という自己報告式の尺度で測定されました。ビッグ・ファイブ・パーソナリティは,中国版のBFIで測定されています。
MDSIは,次の4つの得点を算出します。
◎Risky(危険)……無謀で注意深さに欠け,危険でスピードを出しがち。
◎Angry(怒り)……運転中に怒り,いらだち,敵意を抱きやすい。
◎Careful(注意深い)……注意して運転する,適応的な運転スタイル。
◎Anxious(心配)……運転中に緊張し,心配や不安を抱きやすい。
ここから先は
日々是好日・心理学ノート
【最初の月は無料です】毎日更新予定の有料記事を全て読むことができます。このマガジン購入者を対象に順次,過去の有料記事を読むことができるよう…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?