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親の期待に応えて子どもの成績は伸びるのか,ヒスパニック系の研究

以前,研究休暇の間にテキサス州オースティンに滞在していました。その時も子どもたちを連れていきましたので,それぞれの学校をどうするかというのが大きな問題です。いや,本当に良い経験でした。

小学校選び

住んでいた地域の学区にある公立小学校は,7割以上がヒスパニック系の子どもたちが集まる学校でした。その時点で,私たち家族は気が引けてしまいます。日本に住んでいるとヒスパニック系の人々と接する機会があまりに少ないですからね。子どもたちも不安そうです。

市のホームページを読むと,越境しての編入もできます。学校を調べてみて,中心部にある良さそうな小学校も見つけました。ただし,越境できるかどうかは申し込みの状況次第でした。

市の担当者にe-mailで問い合わせると(とても電話で対応できる英語力は私にはありませんので......でも現地だと電話でのやりとりって少なくないので困ります),すでにその小学校はいっぱいでした。他の小学校への越境編入も検討しようかと思ったりもしたのですが,やはり近くにある公立小学校に行ってみようと考えて,校長先生にメールを出したのでした。

学校の先生たちは英語とスペイン語のバイリンガルばかりで,子どもたちの家族も英語が苦手な人たちがたくさんいました。でも結果的にアジア系の子どもはほとんどいませんでしたが,先生たちも温かく迎えてくれて,その小学校に行ったことは子どもたちにとってとても良い経験になりました。

結果オーライです。

ヒスパニック系の研究

アメリカではヒスパニック系の人々が増えていて,コミュニティも多くなっています。そういう集団を対象にして,その特殊性を検討しようとする研究も増えているように思います。

心理学の研究はWEIRDつまり「Western(西洋の), educated(教育水準が高く), industrialized(産業化した社会で), rich(豊かで) and democratic(民主的)」な人々を対象にするという批判があります。あまりに均一な人々を研究対象にしているのではないか,という批判です。

そういった批判が,それとは違う集団への注目となって現れているのです。

ヒスパニックの青年の親子関係

というわけで,ヒスパニックの研究を見つけましたので,それを見てみましょう。青年期の子どもの学業コンピテンス(学業がうまくいっているという感覚)と,親の期待との関係を検討した論文です(Longitudinal Linkages among Parents’ Educational Expectations, Youth’s Educational Expectations, and Competence in Mexican-origin Families)。

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