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ダークな性格の国際比較
国や地域でパーソナリティ(性格)特性が違ってくるというのは,確かにデータ上はなんらかの形で示されます。実際に差がありますし,それが複数の研究で共通する場合もあります。
でも問題は,それが何を意味するか,なのですよね。
文化差
パーソナリティ特性の男女差についても,多くの研究が行われています。マキャベリアニズム(他者を利用する),ナルシシズム(尊大で賞賛を求める),サイコパシー(冷淡で倫理観が欠如)という3つの特性がまとまったダーク・トライアドについても,多くの国を比較する研究が行われています。その研究によると,日本と韓国では,サイコパシーについて男女差が見られなかったことが報告されています。
サイコパシーは社会的に避けられるべき心理特性だとされています。そして,日本や韓国ではほかの国よりも強く抑制されるべき心理特性だと考えられる傾向があることから,このような文化的な規制圧力が男女差を小さくするのではないかと考察されています。
もっとも,日本はほかのパーソナリティ特性についても比較的,男女差が小さい傾向があるのですけどね。
国際比較
今回紹介する研究も,多くの国のあいだでダーク・トライアドの特性を比較することを試みています。ただし,中国の調査は含まれているのですが,残念ながら日本は含まれていません。どのような結果になったのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Dark Triad Traits, Social Position, and Personality: A Cross-Cultural Study)。
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/00220221211072816
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