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ゲームで勉強すると数学についての不安は下がるのか
「数学不安(math anxiety)」という言葉がありまして,けっこう昔から研究されています。これは,数学に対してネガティブな一連の感情反応を示すことを意味したり,もっと「どうしようもなさ」を含むような概念として扱われています。日本でも「算数が嫌い」とか「数学が嫌い」という生徒はいると思うのですが,それよりももっとネガティブな反応を示す傾向と言えるでしょうか。
調査によると,おおよそ6人に1人くらいはこのような感覚を抱いていて,男子生徒よりも女子生徒が多いとされています。また数学不安は小学生から見られるそうで,このことは将来の進路選択やカリキュラム選択,職業選択にも大きく影響すると言われています。
数学不安は,実際の数学の成績,性別,その他の領域の不安と複雑な関連をもつとされています。たとえば,数学の実際の成績や能力と,数学不安とは一対一で対応するわけではないようです。また,不安が高いから成績が影響を受けるのか,成績が低下するから不安が生じるのかもよくわかっていません。
教え方
コンピュータの普及に伴って,学習をゲーム形式で進めていくシステムも当たり前のように導入されるようになりました。学習を促進するために導入されるゲームは,教育ゲームやシリアスゲームと呼ばれることがあります。ポイントを集めたりランクアップしたり,ゲームの要素を取り入れることで,教室で学ぶよりも動機づけが高まり,より効率的な学習を進めることができる工夫も取り入れられます。
では,こういった教育ゲームの採用は,数学不安にどのような影響を与えるのでしょうか。うまく数学不安を抱かせずに,教育を進めることができるのでしょうか。このあたりの問題をメタ分析の手法で検討しようと試みた研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Do games reduce maths anxiety? A meta-analysis)。
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