最後通牒ゲームと性格特性
最後通牒ゲームをご存じでしょうか。
このようなルールで展開する,お金を分配するゲームです。さて,このとき,もしもなたがAさん,Bさんだったどのような判断をするでしょうか。
考えてみてください。
このゲームは,独裁者ゲームにルールを追加した形になっています。こちらの記事もどうぞ。
最後通牒ゲームの謎
最後通牒ゲームは非常にシンプルなルールで行われるにもかかわらず,非常に興味深い結果をもたらします。たとえば戦略的には,Bさんは何もしなければ手に入るお金は0円なのですから,Aさんから1円でも提示されてそれを受け入れれば金額はプラスになるはずです。ところが,Aさんから「1円」と提示されると拒否するケースが非常に多くなります。Aさんが900円をとって,Bさんに「100円」と提示されても,やはりBさんは不満に思って拒否してしまうかもしれません。
Aさんは1円でも100円でも,自分の取り分を大きく提案すればいいのですが,平均すると自分6対相手4くらいの割合で提案してしまうそうです。このゲームについて,面白い研究やエピソードが『最後通牒ゲームの謎--進化心理学からみた行動ゲーム理論入門』という本に紹介されています。ぜひどうぞ。
性格に関連するのか
最後通牒ゲームの提案者や被提案者の性格によって,提案する金額や拒否する金額は変わってくるのでしょうか。素朴な予想として「ありそう」とは思いますよね。でも,実際に検討してみないとわかりません。
最初に示したBさん側(提案を受ける側)が,受け入れるか拒否するかという判断に注目して,HEXACOモデル(ビッグ・ファイブ・パーソナリティに正直さ・謙虚さ[H因子]を加えたモデル)との関連を検討したチェコ共和国の研究があります。こちらの論文で結果を確認してみましょう(Understanding the nature of the economic game ultimatum through the prism of personality traits)。
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