地震被害者に義援金を送りやすい性格の人
それにしても地震がよく起きて不穏な感じがします。
ところで義援金は「義捐金」とも書きます。明治時代につくられた和製漢語だそうです。「義捐」というのは,「慈善のため,また不幸や災害にあった人に対して,金品を寄付すること」という意味だそうです。
義援金
義援金は,困っている人々に必要な支援を提供し,危機的状況にある被災者を支援する迅速な方法のひとつです。日本だけでなく世界的にも,義援金は被災地を支援する効果的な方法です。
義援金などの寄付行為には個人差があり,寄付をすることにハードルが低い個人もいれば,寄付に乗り気ではない個人もいます。このような明らかな個人差があるにもかかわらず,その個人差の背景要因についてはわかっていないことも多いようです。
寄付をする人の特徴
どのような人物が寄付をする傾向にあるのでしょうか。寄付をする行為の研究が,これまでにも行われています。
研究の結果からは,寄付をする行為に関連する要因が検討されています。たとえば,個人が信頼でき効果的と思われる組織に対して,より多額の寄付をする傾向は一貫して見られるようです。
また,寄付をする相手の特徴もあるようです。より困窮しており,自分の苦しみに対して責任がないと思われる相手に寄付をする傾向があります。また,より自分に類似する点があり,物理的な距離が近く,外集団よりも内集団だと認識する相手に対して寄付をしやすいようです。
パーソナリティ
寄付をする行為に関連するパーソナリティ特性はあるのでしょうか。共感性や道徳心など,これまでにも検討されているのですが,パーソナリティ特性に関してはあまり検討が進んでいないようです。
トルコとシリアの大地震が起きたときに,地震の被害がおよんでいない国で行われた調査があります。パーソナリティ特性は,実際の寄付行為に関連するのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Who helps whom in times of crisis? An investigation of actual donations to two groups of earthquake victims)。
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