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孤立した人は死亡率が高くなるのか

割引あり

人間関係は私たちにとっては不可欠で,心身の健康にも大きな影響をおよぼすことが知られています。社会的孤立の影響は,世界的な公衆衛生上の懸念事項としても認識されていて,世界保健機関(WHO)も社会的孤立が死亡率に影響することを報告しています。


社会的孤立

社会的孤立は,社会的なつながりの欠如を意味していて,パートナーがいないこと,家族や友人との交流が少ないこと,宗教活動や組織やクラブへの参加がほとんどないといった形で表出します。広く弱いつながりが欠如するというよりも,狭く身近な社会的ネットワークの欠如や,社会的接触の欠如が問題になります。

多くの国で調査が行われていますが,国によって社会的孤立の程度はかなり異なっているようです。


高齢者

特に高齢者は,仕事を退職したり,健康状態が悪化したり,配偶者や友人と死別したり,移動する能力が低くなったりすることで,ますます社会的に孤立しがちです。そして,これらは死亡のリスクに関連します。

また社会的孤立は,喫煙や運動不足などの健康を損なう活動,睡眠の問題,自殺,健康に関連する生理学的な指標,免疫機能の低下にもつながることが報告されています。これらのことからも,社会的孤立は死亡のリスクにつながることが予想されます。

そこで,社会的孤立がどれくらい,死亡リスクに関連するのかをメタ分析で検討した研究を確認しましょう。こちらの論文です(A systematic review and meta-analysis of 90 cohort studies of social isolation, loneliness and mortality)。

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