ダークな性格は顔に出る?
顔を見るだけでその人の特徴がわかる,という話はずいぶん昔からあるものです。現代の私たちも,「顔を見ればその人の人となりがわかる」と思ってはいないでしょうか。このステレオタイプはとても強くて,これで得をする人も損をする人もいるのですから,結構深刻な問題ではないかとも思います。
顔に出るのか
19世紀には,人の顔からパーソナリティや気質を特定することはとても簡単なことであり,生まれつきの特徴が顔に出ているものだと考えられていました。イタリアの精神科医で犯罪学の祖と言われるチェーザレ・ロンブローゾも,囚人の遺体を解剖したりさまざまな観察を行うことで,顔の特徴を導き出しています。
一方で,現代のテクノロジーは,顔の研究を容易なものにしています。複数の顔画像から合成することもできますし,一部の顔の特徴を変化させることも簡単です。そして,コンピュータ上で画像を提示して,人々の回答を得ることもできるのです。
ダークな人の顔
では,マキャベリアニズム(人を自分の思い通りに利用する),サイコパシー(冷淡で罪悪感を抱かない),ナルシシズム(自分が好きで人にも特別扱いを求める)といった,ダークなパーソナリティの持ち主は,顔に特徴が出るのでしょうか。なんとなく,ナルシスティックな人は顔に特徴がありそうな気もするのですが,本当にそう言うことはあるのでしょうか。
そこで,それぞれのダークな特徴が高い人と低い人の顔画像を合成して刺激を作り,本当に判定できるかどうかを検討した研究を見ていきましょう。こちらの論文です(Seeing the darkness: identifying the Dark Triad from emotionally neutral faces)。
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