性的に満足した生活を送る人の性格
性的な体験は，恋愛関係や夫婦生活，パートナーとの生活，生活満足感やウェルビーイングにもかかわる，重要な要素です。性的な体験は，生活の中の総時間に占める割合は大きくはないのですが，ポジティブな感情をもたらす体験としては上位にランクづけされる活動でもあります。
ビッグ・ファイブ・パーソナリティ
ビッグ・ファイブ・パーソナリティは，これまで何度も紹介してきましたが，人間のパーソナリティを5つの次元で表現する枠組みです。
◎外向性：積極的で社交的，活動的，興奮を求めポジティブな感情を抱きやすい
◎開放性：変化，多様性，知的な刺激，新しい体験に開かれている
◎勤勉性：規則，基準，規範に従う，秩序や達成，自己規律を求める
◎協調性：利他的で他者を信じる，謙虚，調和的，やさしい
◎神経症傾向（情緒不安定性）：不安，怒り，精神的苦痛，自意識過剰，傷つきやすい
性的行動
パーソナリティ特性は，個人が性的行為をどの程度楽しむのか，どのように制限を加えるのかに影響すると考えられます。性的行為の質や量，頻度，相手との関係性など，多くの側面にパーソナリティ特性が関連する可能性があります。
これまでの研究から，おそらく外向性や開放性は，性的な満足度と関連すると考えられます。外向性はパートナーとの関係の積極的な姿勢に関連すると考えられますし，開放性の高さは制約のない行為に結びつこうとする意欲にも関連すると考えられます。一方で，神経症傾向の高さは抑制的で臆病な行動傾向を示すとも考え得られます。
しかし，実際のところはどうなのでしょうか。ドイツの大規模な調査データを分析した研究があります。こちらの論文を見てみましょう（Big Five personality traits and sex）。
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