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環境保護や気候変動対策を支持する人々の特徴

割引あり

今年の夏も暑そうです。2024年の夏は梅雨が長く,梅雨明け後は猛暑が予想されています。東京に引っ越してきてからしばらくは,「東京の夏は愛知県に比べれば大したことはない」と思っていたのですが,この数年は「やっぱり暑い」と感じてしまいます。


気候変動

気候変動の影響は,世界中で問題視されるようになってきました。この対策を行うには,各国の税金の問題,規制の問題,政府支出の問題など,個人だけでは対応できずに公共政策やマクロ経済政策からの視点が不可欠です。

しかし,公共政策を策定することも,個々人の価値観や態度によって影響されます。どの政党に投票するのか,どの企業に投資をするのか,何を買って何を消費するのかなどなど。個々人の行動と社会は連動しています。


性格

個々人の気候変動への見方については,パーソナリティ(性格)の関連も研究されています。

環境に配慮する政党を支持する傾向は,パーソナリティ傾向と関連が見られるのでしょうか。環境保護行動の形成には,思考や感情,行動面の特徴が見られることが報告されています。ビッグ・ファイブ・パーソナリティでは,開放性の高さと協調性の高さは,環境に配慮することを政策に掲げる政党を支持する傾向に関連することが報告されています。

開放性が高い人は,新しい考えや行動,変化を受け入れやすい傾向があります。旧来型の考え方よりも,新しい考え方に親和性が高く,環境を守ろうとする政策にも興味を抱きやすいと考えられます。また,協調性が高い人は思いやりがあり,他の人の利益を重視します。このような人は共同体の目標を重視しますので,環境を保護して持続的な社会を形成しようとする方向に向かいやすいとも考えられます。

加えて,悲観的な物事の見方にも関連する神経症傾向の高さは,環境変動に対しても不安を抱きやすいことから,環境を重視した政策を支持する可能性が高まるかもしれません。

ドイツの研究

ドイツには,環境保護や平和主義を掲げる緑の党という政党があります。2013年と2017年に連邦選挙が行われており,どの政党に投票を行ったかを確認することができていました。27000人以上の大規模な調査データを用いて,ビッグ・ファイブ・パーソナリティと投票行動との関連を検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(High Openness and Low Conscientiousness Predict Green Party Preferences and Voting)。

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