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似たもの同士の友人関係満足度は高いのか

割引あり

「友人」というのは広い概念です。多くの人々の社会的なネットワークの重要な部分を広く占めているのが「友人」という存在です。

友人関係のネットワークが良好であることは,精神的健康,自尊感情,心身の適応状態,生活満足度など多くのメリットをもたらすとされています。


性格との関連

友人関係や友情関係とパーソナリティ(性格)との関連は,古くから検討されています。友人の人数や友人関係の質(良い関係・悪い関係)は,特定のパーソナリティ特性と関係することが昔から報告されています。

また,パーソナリティの類似性に注目する研究も多いですね。似たような性格同士は,新たな友人関係の形成を促進する要因になることは間違いがなさそうです。

類似性

実際の友人関係があるふたりの間でのパーソナリティの類似性が,どの程度友情関係の満足度につながるのかについては,やや不明瞭なところがあります。この手の研究は,夫婦関係や恋人関係でよく行われるのですが,友人関係で行われるというのは,あまり見たことがない印象があります。

実際に,友人関係にあるペアで,各自のパーソナリティ特性,パーソナリティ特性の類似性は,友人関係の満足度にどのようにつながるのでしょうか。本人のパーソナリティの効果,相手のパーソナリティの効果,相手のパーソナリティを知覚することの効果,お互いの類似性といったように,要素を分解して検討すると,どうなるのでしょうか。

では,こちらの論文を見てみましょう(Personality is Related to Satisfaction in Friendship Dyads, but Similarity is Not: Understanding the Links Between the Big Five and Friendship Satisfaction Using Actor-Partner Interdependence Models)。

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