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食糧入手への不安は妊娠出産に問題を生じさせやすい
栄養的に十分な,または安全な食料の入手可能性が限られていたり不確実であること,また社会的に許容される方法で食料を入手する能力が限られていたり不確実であることを,「食料不安」と呼ぶそうです。
各国の違い
低所得国や中所得国では,貧困,失業,低所得など,食料不安は大きな社会亜門代となります。またこれらは,肥満,過体重,身体的な疾患の要因にもつながっていく点で,保健や医療の観点からも重要です。
先進諸国の間でも,食糧を供給するシステム,安定した供給源,価格の問題など,国によって大きなバラツキがあります。また,金融危機や気候変動など,世界を揺るがす大きな問題は,食料への不安を喚起させます。
2014年から2018年の間に高所得国での食料不安を調査した結果からは,国によって3%から15%の人々が,重度の食料不安を報告したそうです。また,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック期では,食料不安がさらに深刻化したという報告もあるようです。
時期
食料については,人生の中でも重要な時期があります。
ひとつは,受胎から出生,2歳になるまでの1001日間が重要だといわれます。特に妊娠期間中に栄養状態が悪化すると,母親と乳児の健康状態に懸念が生じます。妊娠中や授乳中は,複雑な栄養条件をみたす必要があります。また,家族の中で子どもや高齢者の世話をする責任を果たし,仕事に従事する役割から,女性の食料不安は悪化しやすいとも指摘されています。
食料不安と母親
食料不安と,母親の身体的・精神的健康および乳児の健康について,レビューとメタ分析によって検討を試みた研究があります。2008年の世界金融危機では,食料不安が世界的に問題になったそうです。この時期の検討から,どのようなことが言えるのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Associations between food insecurity in high-income countries and pregnancy outcomes: A systematic review and meta-analysis)。
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