アイゼンク先生はBig Fiveが気に入らない
今回も,パーソナリティ全体を5つの次元で把握しようとするビッグ・ファイブや5因子モデルについて取り上げてみましょう。
以前にも,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの批判ポイントについては取り上げたことがあります。そこでは,5因子の安定性や再現性,現実社会を予測するときの問題点などが指摘されていました。
今回は,それよりもっと以前の1990年代前半に刊行された論文を取り上げてみたいと思います。誌上討論のような形で,5因子モデルの擁護派と批判派がそれぞれ書いている論文です。
基本なのかそうではないのか
タイトルもなかなか面白いのです。ひとつめの論文は,「Four ways five factors are basic」というタイトルで,執筆者はビッグ・ファイブ・パーソナリティの測定検査であるNEO-PI-Rを中心に多くの研究を行ってきたコスタとマクレーです。「5因子が基本的である4つの理由」といったところでしょうか。
それに対する論文を書いているのは,イギリスのパーソナリティ心理学者ハンス・アイゼンクです。こちらの論文のタイトルは「Four ways five factors are not basic」となっていて,真っ向から対立するような論文となっています。
どんな内容?
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