
引っ越しや転職をしようと思うと実際にするのか
皆さんはこれまでに何度引っ越しをしたことがありますか?
日本人は生涯にどれくらい引っ越しをするのでしょうか。「そんな調査はあるの?」と思うかもしれませんが,「国立社会保障・人口問題研究所」が人口の移動を調査しているデータがあります。
そのデータから見ると,日本人が生涯の間に引っ越しをする回数の代表値は,男性が4.5回,女性が4.0回なのだそうです。ただし,年齢や時代によっても変わりそうです。たとえば,大学進学率が上がったり,経済的な変化があったり,持ち家の比率が変わったりすると,回数は変わりそうですからね。
引っ越し回数
自分のことを思い起こすと,ずっと実家暮らしだったのが,大学で一人暮らしをして引っ越し,実家に戻り,結婚して家を出て,その後愛知県内で2回,それから東京に出てきています。今住んでいる場所は7箇所目か8箇所目ではないかと思います。ですので引っ越し回数は,日本人の平均よりも多そうです。
ちなみに,アメリカ人が生涯に引っ越しをする回数の平均は17回なのだとか。なかなかの回数ですね。
住宅情報
アメリカのオンライン不動産データベースのZillowというサイトをご存じですか?
このサイトを見ると,アメリカの都市の住宅の値段が地図上に表示されて,なかなか面白いのですよね。家の写真もきれいですし,つい眺めてしまいます。「このあたりの家はこんな値段なのか」と思いをめぐらせることができます。
アメリカの場合には,住む場所によって安全性や人種構成,平均的な収入レベルなどが大きく異なってきます。「どこに住むか」というのが,大きな選択の意味を伴ってくるということです。
移住は希望から生じるのか
引っ越しをしようとする意思は,実際の引っ越しの行動に影響を与えるのでしょうか。意図が行動に影響するというのはシンプルな因果関係ですが,本当に関連するのかを検討することは重要です。
ただし,日本だと会社からの命令で急に海外に転勤をしたり,国内でも引っ越しを余儀なくされたりすることがありそうです。海外では基本的にそういうことは少ないと聞いていますし,自分の意思が尊重されそうですよね。
ということで,移動の意思と実際の移動について検討した研究が,この論文です(Individuals’ openness to migrate and job mobility)。
当たり前のことをちゃんと検討することは大切です。
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