攻撃性とビッグ・ファイブ・パーソナリティ
国連のデータベースを見ると,各国でどれくらい犯罪が発生しているのか,ドラッグの状況,収監される人々の状況がわかります。
たとえば,2018年における10万人あたりの強盗発生率を,世界地図に表示することもできます(南米が多そう……)。
暴力と性格
これまでの研究でも,ビッグ・ファイブ・パーソナリティと攻撃性や対人的な暴力との関連が検討されてきました。
そして,おおよそ……
◎高い神経症傾向:感情の揺れ動きの大きさ
◎低い協調性:自己中心的な傾向
◎低い勤勉性:社会的規範の軽視
といった傾向が,攻撃性に関連することが示されてきています。これらの関連は,メタ分析でも示されているものですので,個々の研究では違う部分はあるにしても,統合的な結果だと言えそうです。
サンプルの問題
とはいえ,これまでの多くの研究の調査対象は,大学生や一般の人々です。もっと激しい暴力を示すようなヒトの場合には,どのような関連が見られるのでしょうか。たとえば,暴力犯罪者を対象とするような場合です。
では,こちらの論文で,どのような関連が見られるのかを確認してみましょう(Trait aggression is associated with five‐factor personality traits in males)。
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