
スペイン語版Big Five尺度の確認方法
スペイン語で“los pequeños”は,英語だとlittle onesで日本語だと「小さいものたち」といったところでしょうか。
今回は,そんな名前がついた,スペイン語版のビッグ・ファイブ・パーソナリティを測定する心理尺度の,信頼性と妥当性の検討方法を見ていきたいと思います。こういう名前がついているということは,項目数が少なめということなのでしょうね。
ビッグ・ファイブ・パーソナリティの尺度
これまでにビッグ・ファイブ・パーソナリティを測定する尺度は数多く開発されてきています。
たとえばBFIは形容詞をベースにした尺度で,現在では次のバージョンのBFI-2も作成されています。BFI-2ではビッグ・ファイブ・パーソナリティのそれぞれの特性の下にファセットも設定されていて,より細かくビッグ・ファイブ・パーソナリティを測定することができるようになっています。また,ここから派生して,非常に少ない10項目でビッグ・ファイブ・パーソナリティを測定する,TIPIも作成されています。
NEO-PI-Rは240項目からなる尺度で,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの各特性の下に6つずつのファセットが設定されています。「NEO-PI-R」と「R」がつくことからもこの尺度自体が改訂版となっているのですが,近年では「NEO-PI-3」とよばれる次のバージョンも開発されています。短縮版(とはいえ60項目)のNEO-FFIも作られています。
IPIP-NEOは,International Personality Item Poolと呼ばれるプロジェクトで集められた心理尺度の質問項目立ちを再構成する中で作成された,ビッグ・ファイブ・パーソナリティを測定する尺度です。IPIPをベースにした尺度は複数あります。
ちなみに,IPIPの質問項目は3000以上収集されていて,ABC順に並べられています。
スペイン語のビッグ・ファイブ尺度
では,スペイン語のビッグ・ファイブ尺度の内容を検討した研究をみてみましょう。この研究は,BFIをベースにしたBFPTSQと呼ばれる尺度をスペイン語に翻訳した尺度について,信頼性と妥当性の検討を試みたものです。では,こちらの論文をみてみましょう(Assessment of "los Pequeños" Big Five: The Spanish Version of the Big Five Personality Trait Short Questionnaire in Adolescents)。
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